米国の重要なインフラを扱うある企業は昨年、米ナンバー1携帯電話事業者「ベライゾン・ワイヤレス」に、内部調査を依頼。公衆回線をあたかも専用回線であるかのように利用できるサービス「バーチャル プライベートネットワーク(VPN)」の利用状況を調査した。すると、同社の「有能」なプログラマーがなんと、自身の仕事を全て、中国遼寧省瀋陽市のソフト会社に下請けを頼んでいたことが明らかになった。その料金もなんと、自身の給料の5分の1で、自分は仕事中インターネットサーフィンを楽しんでいたという。中国の経済ニュース総合サイト「中国経済網」が報じた。
同社は「ベライゾン・ワイヤレス」を通して、ダブル認証によってデータを厳重に保護・管理できるVPNシステムを立ち上げ、社員が在宅で仕事ができるようにしていた。ところが、VPNのアクセス履歴を見ると、同社のメインサーバーに、瀋陽市のユーザーが頻繁にアクセスしていることが判明。問題のプログラマー“Bob”の認証アカウントを使用していた。当初、同社は不正アクセスを疑っていたが、調査の結果、Bobが自身の仕事を、下請けの瀋陽市の会社に回していたことが判明した。
Bob本人はというと、毎日“仕事”が始まる9時になると、インターネットでニュースを読んだり、ネコの動画を見たり。11時半にランチを取り、午後1時になるとインターネットオークションサイト「eBay」でショッピング。その後、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で2、3時間時間をつぶし、5時に“退社”していたという。Bobは会社に質が高く、整ったコードを提出していたため、これまで何季にもわたり、優秀なプログラマーと評価されていた。しかし、問題発覚後、解雇されたという。
■ネットユーザー「中国の賃金が安すぎる」
米国のプログラマーが何もせずにお金を稼いでいたこのニュースに、中国のインターネット上では、「これはいい人材だ。マーケティングか運営コストを管理する部署に配属すればいいのに。この会社はいい人材をあまり大切にしていない」、「世界的な視野を持っている人材だ。プロジェクトマネージャーに抜擢したらいいのに」など、Bobを「優れた人材」と評価する声のほか、「中国の人件費が安いのは肉体労働だけじゃないんだ」、「中国的のIT従事者は仕事の質は高いし、人件費も安いんだ」、「米国のプログラマー1人の給料の5分の1のお金で、中国の会社1社を養えるなんて悲しいけど、もっと悲しいのはプログラマーの給料は中国では高いほうだということだ」など、中国のプログラマーの賃金が安いことを嘆く声も上がっている。さらに、「良心的ではない」、「このプログラマーは、米国政府や米国企業がやっているのと同じ事をしただけ。会社のボスや国がやっても何も言われないけど、個人がやったら解雇されるなんて」、「シリコンバレーごと中国に引っ越して来ればいいのに」などの声が寄せられている。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年1月21日 |