米民主、共和両党の元政府要人からなる超党派代表団がこのほど日中両国を相次いで訪問した。(文:華益文・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
訪問の主要議題が釣魚島(日本名・尖閣諸島)をめぐる現下の事態であることは明確だ。代表団の1人、スタインバーグ前国務副長官は「中日が共に釣魚島問題で自らの立場を堅持しているため、不注意の間に緊張が拡大する可能性があり、衝突の危険すらある」と述べた。
現下の中日関係の厳しい局面は日本が一方的に引き起こしたものだ。日本は中国の反対と警告を顧みずに固執し、釣魚島騒動を引き起こした。中国は領土主権という国家の核心的利益を守る観点から、日本側の再三の挑発に対して強力な報復を行った。釣魚島をめぐる事態は延焼し続け、すでに経済貿易など両国の交流・協力に深く影響がおよんでいる。
最新の統計によると、日本の貿易は過去数カ月で巨額の赤字を計上。9月に対中輸出は14.1%の激減を示した。日本の貿易悪化の原因は1つに止まらないが、日本メディアが繰り返し言及する要因が1つある。すなわち釣魚島をめぐる現下の事態だ。元々日本の貿易立国戦略はすでに十字路に立っていたが、釣魚島紛争によってまた日本経済に具体的影響が出始めた。これによって日本の景気回復の展望はにわかに不確定性を増した。
中国は入念な対日経済制裁を発動してはいないが、両国関係の膠着状態が経済貿易分野に波及するのは必至だ。日本の対中経済貿易の趨勢は逆転し、低迷が生じた。「石を持ち上げたら自分の足に落としてしまった」としか言いようがない。日本経団連の米倉弘昌会長の言葉を借りれば「日中の経済は補完性と相互依存性が高く、関係悪化の状態に長く停滞するわけにはいかない」のである。
客観的に言って、今回の米代表団であれ、中日関係を気にかける日本の有識者であれ、共に中日両国が釣魚島問題で摩擦の激化を回避し、暴発を防ぎ、膠着局面の打開に努めるとともに、「中日対立の長期化」に警戒することを望んでいる。中国は中日関係と地域協力の大局の維持という重要な利益の観点から、日本に対して対話による問題解決の扉を開き続けている。
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