外交部は14日、24日から25日まで北京で開かれるアジア欧州会合(ASEM)第7回首脳会合について国内外メディアへのブリーフィングを開いた。外交部の劉結一・部長助理が関連状況について説明した。劉部長助理の説明内容は以下の通り。
(1)ASEM概況
1996年に設立されたASEMは、アジアと欧州の間での最高レベル・最大規模の政府間フォーラムだ。相互間の対話・理解・協力を強めることを通じて、アジアと欧州の経済・社会の発展に有利な環境を作り出し、アジアと欧州の新型の全面的なパートナーシップを構築するねらいだ。ASEMの参加国・機関は、設立後2回の増員を経て、45カ国・機関に拡大している。そのうちアジア側のメンバーは17カ国・機関(ASEAN10加盟国、ASEAN事務局、中国、日本、韓国、インド、パキスタン、モンゴル)、欧州側のメンバーは28カ国・機関(EU27加盟国、欧州委員会)となっている。ASEM参加国のGDP総和は世界の半分を超え、人口と貿易額はいずれも世界の6割を占めており、世界に対して重要な影響を持っている。
ASEMは12年の発展を経て、政治対話・経済協力・社会文化交流という柱となる3つの分野で大きな成果を上げた。まず政治面では、アジアと欧州の各方面は、世界と地域の重大問題について対話を強化し相互理解を深めることを通じて、▽多角主義の提唱▽国連の役割の維持▽世界的な問題への共同対処――などの重大問題に対する共同認識を形成した。次に経済面では、アジアと欧州の各方面は、マクロ経済と財政金融政策についての対話を積極的に展開し、アジア・欧州間の貿易や相互投資を不断に増加させた。第3に文化面では、アジアと欧州の各方面は、文化の多様性を一致して支持し、ユネスコ「文化多様性条約」の採択を共同で推進し、異なる宗教間の対話を積極的に展開し、多くの文化交流活動を開催し、民間友好関係を促進した。ASEM参加国の議会・商工業界・民間社会の間での交流もますます深まっている。
(2)ASEMでの中国の活動
中国はこれまで、アジアと欧州の協力の進展過程における積極的な提唱者と建設的な参加者の役割を担い、アジアと欧州の協力体制の深化に力を尽くしてきた。中国国務院総理は1996年以来、歴代のASEM首脳会合に出席し、▽アジアと欧州の新型パートナーシップの基本原則を構築する▽政治面の対話と協議を強化する▽経済貿易関係をランクアップする▽環境・農業の分野での協力を強める▽文化・文明に関する対話を展開する▽若者の交流を推進する――などの提案を行ってきた。中国はこれまで、税関・科技・環境・文化などの多分野にわたる多くの閣僚級会議やその他の重要な活動を提唱し、主催してきた。ASEMの設立以来実施されてきた100余りの提議のうち、中国が提出したものは17を数える。中国はまた、閣僚級会議を呼びかけた回数が参加国のうち最も多い国でもある。
(3)ASEM第7回首脳会合の基本状況
ASEM首脳会合はASEMにとって最高レベルの活動であり、ASEMの指導原則と発展方向を確定する役割を持つ。2年に1回開催され、アジアと欧州で交互に開かれる。第7回首脳会合は、非常に独特な国際環境のもとで開かれる。▽世界金融の激動▽エネルギー問題・地球温暖化▽食糧の安全保障――という3つの難題が交錯し、国際状況は複雑で変わりやすくなっている。今回の会合は「対話協力、相互利益」をテーマとし、上述の問題に焦点をあてた討論が展開される。さらに▽災害救助での協力▽国際と地域の状況に関する問題▽アジア・欧州間の貿易と投資の促進▽持続可能な発展に関する問題▽異なる文明間の対話の強化――などについても広く意見が交換される。アジア・欧州間の相互信頼と協力を強化し、各問題への共同対処策を検討し、アジア・欧州双方の人々に利益を与えるねらいだ。
第7回首脳会合は、24日から25日にかけて北京で開かれる。中国にとって今年、北京五輪に続く重要な国際大会となる。中国を除いた44の参加国・機関のうち、ほとんどの参加国・団体の指導者が出席することが確定している。会議の主な活動は24日午後と25日全日に行われる。主な活動には、▽歓迎セレモニー▽集合写真の撮影▽開幕式▽全体会議▽閉幕式――などが含まれる。胡錦濤主席は重要な活動に出席する。温家宝総理は会合の議長を務め、参加する来賓に向けた歓迎パーティーを行う。会合後、ASEM調整国を担当する4カ国・機関(中国、フランス、ブルネイ、欧州委員会)の指導者による記者会見が開かれる。さらに会合前・会合中・会合後にかけて、中国の指導者と参加国の指導者との会談も予定されている。
(4)期待される成果
今回の首脳会合では過去の慣例に従い、一連の重大問題に対するASEMメンバーの立場を示しASEMの将来の協力方向と重点分野を定めた「議長声明」が採択される。会合ではまた、持続可能な発展など国際社会が直面している緊迫した問題について討論が行われ、関連文書が採択される。さらに、政治対話・経済貿易協力・社会文化交流という3大分野でのASEMメンバーの交流と実務協力を呼びかける提案も審議・採択される予定だ。
「人民網日本語版」2008年10月15日
|