中国政府のダルフール問題特別代表の劉貴今氏は先日のエジプト訪問中、エジプト駐在の中国のメディアの取材に対し、「ダルフール問題を解決するには三つの重点と三つの原則を重視すべきだ」と示した。
この中で、劉代表は「中国側は、現在ダルフール問題には積極的な新しい兆しが見えたと考えている。特に12日に発表された国連・アフリカ連合(AU)・スーダン政府の共同声明で、スーダン政府はアナン元国連事務総長から示されたダルフール地区における平和維持部隊配置という第3階段提案を保留することなく受け止めると明らかにした。中国政府はこれに対し歓迎の意を表わす」と述べた。
また、ダルフール問題の解決には三つの重点があるとし、国際社会はともに努力すべきだと述べた。まずアナン氏の第3段階提案を早急に実行すること。次にダルフール地区の平和協議を結んでいない政府派閥が交渉に入るようにすること。さらに国際社会がより多くの援助を提供し、ダルフール地区の人道と安全情勢をできるだけ早く改善するようにすることと指摘している。
劉代表はさらに、ダルフール問題を解決するには、三つの原則を守るべきだと強調した。
①政治的にこの問題を解決すること。ダルフールの現状から見て、制裁を加えたり、圧力をかけたりするのは問題を解決できないばかりか、情勢を複雑化させる。
②事実に有効だと証明された国連・AU・スーダンの三者による協商を支持し、この三者の枠組みの下で、AUがスーダン問題における主導的役割を発揮し、アラブ諸国連合(LAS)も特殊な役割を果たすこと。国際社会から提出されるその他の提案や建議は、三者の採る方向と一致させるべきだ。
③ダルフール問題の解決にあたって、スーダンの主権と領土の保全を尊重するとともに、その他の面も考慮すべきだ。国際社会はスーダン政府が見せた積極的な姿勢を奨励するべきであり、スーダン政府の協力がなければ、ダルフール問題の解決は困難だ。
今回のアフリカ訪問の目的について、劉代表は、AU、アラブ諸国連合(LAS)およびアフリカの関係国とダルフール問題の解決について意見を交換し、関係側と共にダルフール問題を一日も早く解決するよう努力し、同地区の安定と発展を実現するためとし、「ダルフール問題は実際には発展の問題であり、貧困、立ち遅れ、資源の欠乏という現状のため、各部落が水源と土地を奪い合うことになったのだ」と述べた。
写真は5月22日、ダルフール地区の難民村で救援食糧の分配状況を調査する劉貴今特別代表(左)
「北京週報日本語版」2007年6月26日
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