現代の中国の流行病とはなんだろうか? 北京のある団地の一角にある公園を訪れてみた。「中国新聞網」が伝えた。
団結湖公園は、過去30年の中国の改革開放と共に歩んできた公園だ。毎日日が暮れると、老若男女が公園内の湖を囲む道に姿を見せる。多くの人はゆったりと散歩を楽しんでいるわけではない。必死の形相で健康のためのエクササイズに励んでいるのだ。彼らの希望は、周回路を1周走るごとに、多すぎる脂肪を燃焼させ、バランスを失った血圧を整え、高すぎる血糖値を下げることなのだ。
30年前とは見違えるような発展を遂げた中国で今、「ぜいたく病」が足音もなく人々の間に広まりつつある。かつての中国の一般大衆が患ったこともないような病気の数々――糖尿病・高血圧・肥満・痛風・うつ病など――は、自分や家族・友人達が健康診断で下される病気となってしまった。
医療界の分析によると、中国国民のかかる疾病の種類には深刻な変化が生じている。「急性伝染病・感染症疾病が主体であったのは過去の話であり、今や慢性疾患あるいは乱れた日常生活と密接な関わりがある疾病が多くを占めるようになった」。
中国の流行病の歴史を振り返ると、ペスト・マラリアなどの伝染病が昔は大衆の健康を脅かしてきた。
年老いた人達には今も、1960年代の苦しかった記憶が残っている。肉類の供給は乏しく、卵は貴重品であった。毎月13キログラムの配給食糧以外に、野草・樹皮、果ては「観音土(白い粘土の一種)」までが庶民の食を補った。栄養不足のため、浮腫(むくみ)病が中国全土で蔓延した。また不完全な防疫体制のため、B型肝炎ウイルスに感染した患者数は1億3千万人にも達した。
21世紀を迎えた現在、中国人の生活は、中国経済の驚異的な発展によって大きく改善されている。伝染病ウイルスの蔓延の原因であった「飢餓と不衛生」は過去の話となった。中国の食糧生産は毎年史上最高を更新している。人々の収入は高まり、三度の食事に困ることはなくなった。医療科学技術の向上によってウイルスの感染が抑制され、B型肝炎はそんなに恐ろしい病気ではなくなった。
「人民網日本語版」2008年11月24日 |