◆志村雅文〔ブラザー工業北京事務所代表〕
82年に中国に来たとき、至るところで列をなしている光景を目にした。何を買うために列をつくっているのか。当時、最大の難題は切符を手にすることだった。あれこれ考えて飛行機あるいは列車の切符を購入したら、次はホテルの予約が待っている。
当時、銀行で仕事をしていたが、国営企業とプロジェクトの商談をした際、経営関連資料を手にすることができず、多くの日本企業は非常に頭を悩ましたものだった。メーカー側それぞれに言い分があり、どちらが本当なのか分からず、そんな状態で投資が実行されようものなら、責任は非常に大きくなるため、外国企業に合弁あるいは出資を決めさせるのは非常に難しかった。
今ではホテルやチケットの問題などに気を使う必要はほぼなくなった。より問題なのは、政府や企業が示した業績の各種データが、中国に投資するにあたって判断材料に値するかどうかだ。
「北京週報日本語版」2008年11月7日 |