▽帰国荷物は減る一方
1980年代、外交官が一時休暇や赴任期間満了で中国に戻る時には、各種家電品、プラスチック製品、ハンガー、カーテンなど一切合財が詰まった段ボールを計10個ほど持ち帰るのが普通だった。当時、改革開放政策によって国内経済にやや変化が表れていたものの、物資が不足している状況は全く変わっておらず、製品の品質は押し並べて低く、国内市場は売手市場のままだった。
状況は1990年代に入ると激変した。王氏は、「中国経済の急成長が続いたことで、駐日本外交官に便宜がもたらされたのです。帰国時の携帯荷物の数がそれまでに比べ激減し、爽快な解放感が得られました。必要なものは何でも国内に揃っており、値段も安く、日本からわざわざ苦労して持ち帰る必要など無くなったのです」と語る。
外交官は、「解放」を手に入れると同時に、「家族や友人への帰国土産に何を持ちかえれば良いか」という悩みも抱えることになった。これまでなら、どんな土産品でも、国内の人にとっては珍しいものだった。しかし、1990年代以降は同じようには行かなくなった。カメラ、ビデオカメラ、金製ネックレスのような高級品以外の一般生活用品は、もはや贈り物の対象にならなかった。このため、多くの人が、帰国土産に何が妥当かを公使館に問い合わせるようになった。
「人民網日本語版」2008年11月10日
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