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庶民の生活  
交通手段、この30年の変遷
乗用車が一般家庭にも

 

中国は世界第2の自動車王国に。いかによりグリーンな、環境保護を重視した、人にやさしい新しいタイプの交通システムを構築するかが時代の新たな課題だ。

上海国際自動車工業展覧会の一角。中国市場には現在、世界の主要ブランドや各種自主ブランド車が出回っている。

自動車はこの数世紀以来で最も重要な発明の1つだ。世界の大都市で昼夜の別なく絶え間なく続く車の流れを見れば、車が人類社会と生活にいかに極めて大きな影響と変化をもたらしたかを疑う人はいないだろう。

中国人について言えば、この変化は改革開放30年に集約されているようだ。

新中国建国当初、マイカーはブルジョア階級のレッテルを張られて制限され、保有台数は急減。新中国の自動車工業は長期にわたり「乗用車の空白」状態に陥った。「紅旗」(車種)は生産台数が限られたことから、その象徴的な意味は実用価値を上回っていた。

改革開放後、自動車工業の発展を図り、奇形的な産業構造を改めるため、北京一汽は78年、半年かけて日本の自動車メーカー11社を視察して回った後、初めてトヨタ生産方式を導入、全工場と全業界でその方式を普及させた。中国共産党第12期中央委員会第4回全体会議は84年、第6次5カ年計画に関する提言で、自動車工業を国民経済の「基幹産業」とすることを決議に盛り込んだ。

1978年の千人当たりの自動車保有台数は0.5台と、世界第140位だったが、今日では世界第2の自動車消費国、生産大国へと躍進。中国の自動車市場は世界で発展が最も速い市場となった。中国人は今では自由に、市場でほぼすべての世界の主流ブランド車、様々なプライベートブランド車を選べることができる。自分の車を持つ、これが多くの中国庶民の願望であり、住宅を除けば、家庭の消費に占める割合はかなり大きい。また、乗用車は歩行に代わる交通手段のみならず、個人あるいは企業のステータスシンボルを示すものになってきたようだ。

中国はすでに自転車王国から自動車大国へと転換する時代を迎えた。自動車産業の発展は巨大な経済収益をもたらし、国の重要な基幹産業となり、自動車の普及で人びとの外出はより至便になった。だが、それに伴う排ガスや交通渋滞、エネルギー危機といった新たな課題がこれまで以上に関心を呼びつつある。

マイカーとともに近代化されたのが、ハードソフトから管理まで高度化した公共交通機関とタクシーだ。エアコンや車内液晶テレビ、ICカードなど、数年前には見慣れないものだったが、今ではごく普通のものに。改善され快適になった公共交通機関はマイカーを持たない一般庶民にとっては最適の交通手段である。この数年、各地方政府は「公共交通優先」政策を打ち出し、財政面から公共サービスなど民生政策の充実に取り組んでいる。安全やエネルギー節減、環境保護を前面に押し出すことで、グリーンで迅速、機動的で人に優しい新しいタイプの公共交通システムを構築する、それが新たな発展の時期を迎えた都市にとって重要課題となっている。

「チャイナネット」2008年10月17日

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