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庶民の生活  
ファッションの変化から見る30年の変遷
「赤い頭巾」が取り払われて

 

改革開放初期の10年間、服装に関する行動の一つひとつが「一石、千層の浪を巻き起こす」効果を生んだようである。ピエール・カルダンが中国ファッションの「赤い頭巾」(農村の結婚式で、新婦は新婚夫婦の部屋に入る前に赤い布で顔を覆った)を取り払ったと言う人もいる。

当時の北京の町を歩くピエール・カルダン氏

 

79年の春、著名なフランスのファッションデザイナ・ピエール・カルダンは要請を受けて北京民族文化宮でファッションショーを開催。中仏友好を象徴するファッションショーは当時、「服装の学習会」と言われた。参加する人は審査を受け、座席も一律指定され、名前を登録しなければならなかった。カルダンは中国の当時の国情を十分考慮していたが、音楽が流れるや、太ももを露にし、股と腰をくねくねとひねる外国人モデルはやはり、舞台下にいる中国の観客にこれまでにない強烈な衝撃を与えた。舞台上の服装の多彩さと舞台下の一面の「革命色」との対比は鮮明だった。

              

広東省などは中国で最も早く改革の春の風を浴びることになった。82年の広州市のある家庭。ソファーに座る少女。

この「学習会」は貿易・アパレル界の幹部や技術者の参加のみに限定された。翌年11月、上海バンドで大陸初のモデルチームが開いたファッションショーは全国を沸き立たせた。人波押し寄せてはまた人波。83年末、それまで数十年続いた布の配給切符制が完全に廃止され、ファッション改革の呼び声が全国に急速に響き渡っていった。

映画『街に赤いスカートが流行』のポスター

当時、最速の勢いで人気を集めたのが背広だ。84年、上海のある写真館のショーウィンドーに「背広貸します」と書かれた看板が立った。背広を着て写真を撮りたいとの市民の願望合わせたものである。この年、男性の間では背広が流行、若い女性の間では赤いスカートが人気を集めた。長春映画制作所の映画『街に赤いスカートが流行』がきっかけだ。この映画はヒットし、若い女性の間では誕生日にかなえたい夢として赤いスカートがトップとなった。

「ラッパズボン」姿の男性

84年、広州で初めて「美は花の城にあり」をテーマにファッション展示会が開かれた

80年代全体と振り返ると、「ラッパズボン」も一時期、世を風靡した。上が細く、下が幅広く、腰の部分がゆったりとした、ファスナーが男女問わず前についているズボンが初めて南方に出現した際、「男でもなく女でもなく、大勢を転倒させる悪物」と見なされた。当時流行った歌にも「長髪のお兄さんが華やかな街を歩く。彼のラッパズボンはモダンで格別だ。それが災いを引き起こした。街のおばさんに押しやられてしまった……」。そうであっても、「ラッパズボン」が中国を冒険するのを阻止するものは何もなかった。

89年末、ポーランドの記者が訪中し、首都北京を体験してこう書いている。「数年あるいは十数年前、北京は灰色の都市だった。『世界の農村』とさえ呼んだ人もいた。人びとが着ているものは単調で一律で……。今では、最新流行のヨーロッパスタイルなおしゃれな娘たちが、北京の街に引きも切らず格別の美しさを与えている」

「チャイナネット」2008年8月27日

 

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