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病める時も健やかなる時も中国の人々に寄り添う 日本人編集者の新型肺炎との戦いの記録
本誌記者・植野友和  ·   2020-02-19  ·  ソース:北京週報
タグ: 新型肺炎;日本人;社会
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「週報チャンネル」の撮影をする筆者

それでも時間が経つにつれ、さまざまな混乱がありながらも、助け合いによって困難を克服すること、そしてデマに惑わされず危機においてこそ平常心を保つことの重要性を人々は学んでいった。日本は他国に比して何かと物事を決められない国と言われるが、震災において間違いなく、日本人は心を一つにした。

その経験をもとに現在中国で起きている事象を見つめると、事態の深刻さをしっかりと認識しつつも冷静さを保ち、パニックを起こさない中国の人々の姿は驚くべきものであると感じる。しかしこれは考えてみれば明白なことで、中国とは14億もの人口を抱えながら、そもそも平時においても政府、自治体、そして国民ひとりひとりに至るまでビジョンを一つにし、世界的にもまれに見る強固なまとまりを持つ国である。その結束はこの度の危機において、より強さを増している。

繰り返し言えば、この度の事態を深刻に受け止めるべきなのは当然としても、報じられているウイルスの毒性や致命率の低さなどを鑑みれば、過剰に恐れる必要はない。むしろ慎むべきは、日本の一部メディアが言うような、中国全体が湖北省と同じ状況に陥っているといった根拠のない情報に踊らされないことだ。

今ここにおいて、1人の日本人として自分ができることは、ウイルスの感染拡大を防ぐ行動を最優先としながらも、この国で普通に働き、普通に暮らすことであると考える。つまり平時にあっても、また危機においても、変わることなくこの国の人々と生きていくということだ。

激しやすく、温かい心を持ち、時に暑苦しさを覚えるほどに感情豊かな、愛すべき中国の人々。彼らとの連帯を示す上で一個人に過ぎない自分にできることといったら、苦難を共にするくらいのことでしかない。中国の人々からしてみればこんな中年男に寄り添われたところで迷惑に感じるかもしれないが、自分としてはやはり、病めるときも健やかな時も変わることなく、これからもこの国で暮らしていきたいと思うのだ。

新型肺炎によって多くの人の命が失われたのは、まぎれもない事実だ。しかしその悲しみの中においてすら、人と人との美しい連帯が生まれ、また、新型肺炎を抑え込むために世界的にも例を見ない断固とした措置が取られた。筆者はこの度の困難が、必ず中国を強くすると信じている。

この稿の最後は、新型肺炎が発生したのちに中国人の親友から送られてきた言葉で締めくくりたいと思う。

「失った全てはやがていつか、何かとなって帰ってくる」

「北京週報日本語版」2020年2月19日

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