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日本が対中関係「安定」に転じた現実的原因
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霍建崗 · 2018-09-07 |
タグ: 中日関係;外交;政治 | 印刷 |
長年の紆余曲折を経て、中日関係はついに再び改善の契機を迎えた。疑うまでもなく、世界第2と第3の経済大国である中日関係の健全で安定的な発展は、北東アジアにとっても国際社会にとっても極めて重要だ。今回関係が好転した原因の一つは、日本の対中政策調整である。従って我々はこの10年の日本外交、特に対中外交について簡単に振り返る必要がある。
日本の現実主義外交の誤算
現実主義は日本外交の不変の規準である。世界の主要大国のうち、利益に対する敏感さと細かい胸算用にかけては、日本の右に出るものはない。欧米諸国の外交はしばしば自由、民主、人権などいわゆる「普遍的価値」の影響を受けるが、第2次世界大戦後の日本外交は長期にわたりこうした価値を重要な位置に置いてこなかった。利益が常に日本外交の最も核心的な考慮要素であった。
中日関係の長年にわたる紆余曲折も、日本のこうした現実主義と極めて深い関係がある。長年の膠着局面の原因を釣魚島問題や歴史問題にのみ求めるのは、問題全体を一部の要因に帰するもので、偏向が過ぎると言わざるを得ない。2012年に安倍首相が提起した「地球儀を俯瞰する戦略外交」の目標は、中東やASEAN、ひいては韓国やロシアに至るまで、世界で丸め込める国は全て丸め込み、「統一戦線」を構築して、それをよりどころに中国に対する「力による勝利」「勢力による勝利」を遂げることだ。利益に対して極めて敏感な安倍政権は、当然ながら日本一国の力だけで「対中国統一戦線」を構築できるとは考えていなかった。当時オバマ政権が取っていた「アジア太平洋リバランス」は日本の攻勢外交の最も重要なよりどころであり、「地球儀を俯瞰する戦略外交」は「アジア太平洋リバランス」にすっぽりとはめ込まれた形になっていた。米国の対中政策という大きな背景を利用して自身の外交目的を達成するところに、まさに日本の現実主義が体現されていた。
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