習近平国家主席が22日から国賓として訪米する。国交樹立から30年余りの歩みを振り返ると、中国首脳の訪米のたびに両国協力の基礎が固められ、両国関係発展の方向が指し示されてきた。今回の訪問が中米両国間の戦略面の相互信頼を強化することは間違いない。(文:左希迎・中国人民大学国際関係学院講師。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
現在国内外の人々が最も関心を持っているのは、習主席訪米を契機に中米両国がいかにして戦略面の相互信頼を強化するかだ。
第1に、中米間の戦略面の相互信頼の強化は、国際秩序についての両国の共通認識にかかっている。一挙手一投足が決定的影響を及ぼす大国である中米両国は現在の国際秩序にとって極めて重要だ。中米共に安定した国際秩序を必要としている。これは両国の基本的共通認識であり、戦略面の相互信頼が生じる出発点でもあるはずだ。具体的には、中国は引き続き融合戦略を堅持し、既存の秩序内で変革し、制度内での台頭を図るべきだ。米国は引き続き秩序の開放性を維持するとともに、現実に適応して発展するよう自発的に国際秩序を調整するべきだ。国際秩序をどう調整するかについては、両国が具体的な議題や現実環境の中で協議し、駆引きをする必要がある。中米両国は戦略の手の内を見せる必要があり、安定した国際秩序の維持という共通認識の下で、より具体的なレベルで協力を展開することができる。
第2に、中米間の戦略面の相互信頼の強化は、実効性ある危機管理にかかっている。中国の成長は中米関係に大きな張力をもたらした。これはアジア太平洋の権力構造に重大な変化が生じたことをはっきりと示している。米国は速やかに自らを調整してこうした変化に適応することができなかったため、米国の政治エリートは中国に対して戦略面の焦りを生じている。こうした厄介な難題を前に、中米は危機管理を強化すると同時に、国内世論を積極的に誘導して、何が賢明な国益の選択であるのかを民衆に説明し、両国関係にプラスの内部環境を築くべきだ。偶発的事態が両国関係の妨げとならないよう、中米は両軍の重大な軍事行動の相互通告制度と公開海域での海空軍事安全行動規範を積極的に推進し、核兵器や宇宙分野の協力を強化し、関係当局の実際のオペレーションにおける衝突を管理・コントロールすべきだ。また、中国と日本、フィリピン、ベトナムとの領土紛争はそれ自体は中米関係の範疇に属さないのに、いまでは中米関係の発展を妨げる要因となっている。中米は第三国の行為を積極的に管理・コントロールし、これを両国関係の大きな枠組の下で捉えなおす必要がある。