特約記者 馬 力
万博ゾーンC区に来ると、羽根を広げたオスのイーグルのようなパビリオンが彼方に見え、それはアメリカ館である。アメリカ館の外観は懐を広げて、はるばるやって来た入場者を歓迎する意味が込められている。パビリオンの内側は未来のアメリカの都市の縮図であり、クリーン・エネルギー、緑の空間と屋上ガーデンなどのエレメントが含まれている。パビリオン全体は多次元のモードとハイテク手段を利用し、見学者に「ようこそ、アメリカへおいでになりました」、「アメリカン・スピリット」、「ガーデン」、「チャンスとイノベーション」など4つのユニークな展示スペースの中で、バーチャルなアメリカの旅を体験させ、アメリカ人がたえずイノベーションを目指し、コミュニティーの建設に取り組んできたストーリーを聞かせるものである。
最初の展示スペースの「ようこそ、アメリカへおいでになりました」はこのアメリカの旅の序幕の部分であり、このスペースではアメリカは異国の文化と地理学上の奇観を持つところであることが示されており、万国博アメリカコーナー総代表の費楽友さんは観光客たちに向かって親しくあいさつし、みんなの来館を歓迎することになっている。観光客はここでアメリカ人友人の親しみのこもったあいさつの言葉を感じとるばかりでなく、中国語を勉強するために努力を払っている彼らのすばらしいストーリーのいくつかを見て取ることができる。特に取り上げるに値するのは、バスケットボールのスター選手のコービーさんがそれほどすらすらとしているとは言えない中国語で観光客たちに「NIHAO、HUANYING CANGUAN MEIGUOGUAN(こんにちは、アメリカ館でのご見学を歓迎します)!」とあいさつすることになっている。
入り口が開くとともに、観光客たちは500人を収容できる二つ目の展示スペースに入る。3つの大きなスクリーンには、アメリカ人が友情の手を差し出して中国語の標準語で観光客の見学を歓迎している画面が映し出されている。これらの挨拶はアメリカの大学、企業やその他の社会団体からのもので、彼らがともに伝えていることは、「更にすばらしい世界を築き上げるため、私達はどの国から来たか、どの国の国籍を持つかを問わず、いっしょにしっかりと連帯しよう」というものである。
オバマ・アメリカ大統領はまた映像の中で、「私達はここでアメリカン・スピリットを誇らしく提示し、こうしたスピリットは終始、私達がアメリカ国民、世界各地から来た移民たちからなる国として、コミュニティーと共通の目標意識に依拠して、ともに努力し、困難を克服し、そしていかなることにも可能性があるその信念と楽観的な気持ちを抱いているというものである」とスピーチを発表している。
アメリカ館で、最も人の目を引きつけるものは三つ目の展示スペースの4D映画――『ガーデン』という映画である。『ガーデン』の中では、あるアメリカの幼い女の子が廃棄された大きな空き地を発見し、空き地を木や草花の生い茂る庭園に築き上げることを考え、この幼い女の子の情熱と決意はその隣人たちを啓発するとともに、彼らを導き、みんなは共通の楽観、イノベーションと協力という精神に導かれて、かつては壊れ果てた薄暗い都市に夢まぼろしのような美しい光景を呈させることになったというものである。映画は風と雨などの4D効果を通じて、観客たちにわあすごいと叫ばせる視覚と触覚の体験の中に浸らせるものである。映画全体にはセリフによる対話がないとはいえ、映像、音楽と音声効果などの表現方法を通じて、すべての観衆は自分たちの母語がどのような言語であるかを問わず、いずれもこのストーリーの内容を理解することができるのである。
最後のスペースで展示されているのは五大テーマ・コーナーであり、アメリカ人がいかにして彼らのコミュニティーを更に健全で、持続可能で、文化の多様性を持つように変えたのかを重点的に紹介している。
アメリカ館全体は中米両国の共通の精神――楽観、イノベーションと協力の描写に力を入れており、そのほか、それぞれの展示スペースには、すべて長さ約8分間の映画と4分間の休けいが設けられ、アメリカ館全体を見終わるには約1時間を要する。
上海に来て万国博を見学される方は、ぜひC区に位置するアメリカ館に来て見学して下さい!
「北京週報日本語版」2010年7月23日
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