上海万博には未来の都市発展に関するたくさんのアイデアとハイテクノロジーが集まっている。では、私たちの暮らしにもっともかかわりのある飲食はどのように変化するのだろうか。どうすれば健康的で環境に配慮した食生活が実現できるのだろうか。一般家庭のキッチンは今のままで変わらないのだろうか。人々は飲食の面でどのような未来を構想しているのか、科学技術の注目すべき点や目新しいことはないか、上海万博から探ってみよう。
野菜は私たちの毎日の食卓に欠かせないものであるが、現代的な大都市においては、汚染されていない品質の高い野菜はどこで購入できるのか頭を悩ませている主婦も多いことだろう。万博会場浦西エリアの「家庭光波菜園」にこの答えがある。
ここは「菜園」と言っても、各種の科学技術が融合したガラス張りの部屋で、レタスやアブラナなどの作物を栽培している。室内は光、温度、湿度、養分などを人工的にコントロールしているので、野菜は季節や土壌、気温などの環境要因の制約から完全に解き放たれる。係員の楊彦青さんは、「この菜園の特色は水循環システムです。水を節約できるうえ、この白い発砲プラスチックの光反射作用により、電力を節約することもできます。この灯管は省エネの蛍光灯で、約2万時間使用することができる。こうして、省エネ環境保護の状況の下、健康的で品質の安定した野菜の栽培を保証しているのです。室内の温度は約23度にコントロールされ、植物の生長に最も理想的な環境をつくり出しています。今後は、農業の経験がなくても、この設備の操作方法さえ知っていれば、どこでも誰でも野菜を栽培することができるようになります」と話す。
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