歩く代わりに自転車に乗ることはこの都市の文化的なシンボルになった
コペンハーゲン市民の各種の交通機関に対する重視度の順番は、まず自転車、次に公共交通機関で、最後にマイカーである。道を往来する自転車は、スピードを出して走っていく自動車より著しく多い。ここでは、自転車道の標識がとても明らかであり、自動車道や歩道とはっきり区別され、ひと目見ただけでよくわかり、互いに妨げにならない。市街区には多くの無料自転車置き場があり、地下鉄の前、店の前や大通り沿いなど、どこにも自転車置き場を設置している。デンマーク議会の前にも専用の自転車置き場があり、多くの議員が自転車で通勤している。政府は自転車利用者にさらに良い条件を提供することに力を注いでいる。計画では、2015年までに、少なくとも50%の人が自転車で通勤し、80%の自転車利用者が交通状況に満足できるようにする。
特に言いたいのは、私のような観光客・留学生にとって、最も便利なのは街頭に多くの「CityBike」というマークをつけた自転車無料レンタルスポットがあることである。「CityBike」の置き場に20クローネの保証金を入れさえすれば、自転車を使うことができ、乗り終わった後はどの「CityBike」の置き場に返してもいい。かぎをかけた後、保証金を返してもらうことができ、手数料もいらないので、実質的には無料である。夏の観光シーズンには、このサービスは非常に人気がある。コペンハーゲンは港町であるため、さまざまな水路が街を走っており、自転車に乗って、港や水路に沿って海岸公園を遊覧すると、非常に心地よく、また便利である。
コペンハーゲンは国際自転車連盟から世界で初めて「自転車の都」と名づけられた。歩く代わりに自転車に乗ることはこの都市の文化的なシンボルになった。10年前には、中国の都市で徒歩に代わる交通手段はまだ自転車であり、数の上で名実ともに自転車の王国であったが、現在では、二酸化炭素を大量に排出する自動車が取って代わりつつある。それと比べると、「童話の都」の低炭素型交通は確かに学ぶに値する。
海岸全体に風力発電機を設置してあるのが見える
それ以外に、コペンハーゲンは長年にわたって、連続で「世界で最も暮らしやすい都市」に選ばれ、さらに、2025年に世界初の「炭素排出ゼロ」都市を作り上げることを約束した。コペンハーゲンには多くの工業製造企業があるが、工場の煙突から淡くかすかな水蒸気だけが排出され、すぐに空気の中に消えてなくなってしまう。港を散歩するとき、見渡してみると、海岸全体に風力発電機を設置してあるのが見える。風力発電は主なエネルギーになり、この古くて若い都市にクリーンな電力を絶えず送り込んでいる。紙くず、ガラス、プルトップ缶などの家庭ゴミは厳格な科学的ゴミ回収システムを通じて、分類・収集され、高効率で二次利用される。コペンハーゲンで、私は初めてどんな生活が健康的で環境にやさしく、すばらしい生活なのかを感じることができた。
デンマーク留学で受けた教育の啓発を受け、2006年、順調に工学修士学位を獲得した後、私は帰国して環境保護に関する業界に身を投じることを選び、デンマークの有名な風力技術会社と米国企業トップ500に入るクリーン電力会社に相前後して勤務し、現在は、国の大規模で環境にやさしい発電所を建設する仕事に従事している。環境事業の推進に伴い、中国各都市の環境がますますよくなり、空が更に青くなり、水が更に澄むようになり、人々の生活が更にすばらしくなることを心から願っている。
「北京週報日本語版」2010年4月30日 |