金融ストリートに
「バンド再開発で黄浦江の両岸にはるかに望む金融、海運の中心地区が一体となり、上海の都市としての機能も全面的に向上した」。上海市政工程設計総院・副チーフエンジニアの俞明健氏はバンド再開発の経済的意義をこのように評価する。

黄浦江東岸の陸家嘴金融街
新世紀初頭、黄浦江両岸の計画に変化が生じた。計画に参与した中国科学院会員の鄭時齢氏はこう語る。「私たちはバンドの概念を切り換え、バンドに上海人の生活領域に入らせることにしたのです。もともとあった倉庫や工場は徐々に移転し、銀行も次第にバンドに戻り、ここは再び金融中心になりました」
再開発されたバンドは、中国で最も目に鮮やかで華やかな河の風景を見せてくれるだけでなく、敷地面積2.6平方キロ、建築面積460万平方メートル超の「金融ストリート」となり、金融を主体にした現代的なサービス業を重点的に呼び込むことにしている。
資産管理や資本運用、金融専門サービスなど三大センターを重点的に設立するほか、証券業や市場評価など金融機関にサービスを提供する専業仲介機構も進出する。
上海市黄浦区長の周偉氏は、金融ストリート計画には細部に「ヒューマン」の精神が盛り込まれていると話す。
例えば、南バンドの「バンド国際金融サービスセンター」の建築群では、すべてに地下空間があり、地下はそれぞれ各ビルに通じている。さらに内外の金融人材を対象にした賃貸型マンションを開発。また、インターナショナルスクールやインターナショナルホスピタルを建設している。
◆黄浦江・濱江沿線再開発計画の一覧
南バンド
新開河から南浦大橋に至る一帯のウォーターフロントでは十六舗埠頭の改修がほぼ完成している。再開発の範囲は、北は新開路、南は東門路、東は黄浦江に臨み、西の中山東二路までで、12カ所に遊覧船埠頭を建設。再開発総面積は6万3000平方メートルだが、地上はわずか5000平方メートル、大半は地下が対象。再開発後、従来の埠頭の機能にさらにレジャー、グルメやショッピング機能が加わったほか、周辺ビルとつながった駐車場も建設された。
徐匯濱江グリーンベルト
全長8.4キロ。北は日暉港、南は徐浦大橋に、東は黄浦江、西は豊溪路まで。沿岸にある汚染企業が閉鎖され、徐匯濱江グリーンベルトの南北が貫通したことで、濱江の緑化は進み、またビジネス・オフィス、文化・教育施設、団地などが一体となったウォーターフロントに変身。街路灯など周辺の付属施設の設置もすでに完了した。
呉淞口濱江景観ベルト
計画範囲は、淞興路-牡丹江路-淞宝路-塘後路-宝東路-友誼支路-東林路-漠河路-同済路から蕰藻濱、黄浦江、長江沿岸地区までで、炮台湾湿地公園や臨江公園など。計画総面積は約285ヘクタール、ウォーターフロントライン8.5キロ。うち長江が3.8キロ、黄浦江沿いが2.4キロ。
「北京週報日本語版」2010年4月27日 |