本誌記者 金多優
取材対象者:任琳 /女/25歳/フランス留学中(大学院修士課程に在学)
出身地:中国・北京
現住所:フランス・パリ
行ったことのある都市:パリ、ロンドン、ウィーン、プラハ、アムステルダム、ミラノ、ローマ、ベニス、オックスフォード、ケンブリッジなど
素晴らしい都市とは:環境にやさしく、都市とその住民が豊かな文化を持ち、人への配慮や思いやりに満ちている都市。
インタビュー内容:
2007年に大学を卒業後、私はパリのソルボンヌ大学大学院に合格した。ここで私の外国での留学生活が始まり、もう3年が過ぎた。3年の間に、欧州のほとんどすべての国を訪れた。パリ、ロンドン、ウィーン、プラハ、アムステルダム、ミラノ、ローマなどの国際大都市だけではなく、ベニス、オックスフォード、ケンブリッジなどの小さな街も忘れがたい。
この旅行経験は私の視野を大きく広げ、私にとっての都市の伝統的概念を覆した。すべての街が北京と同じように正方形できちんと整っているのではなく、また上海と同じように高いビルが林立しているのでもないことに気づいた。ベニスの水郷風景を見て、オックスフォードとケンブリッジの学術的な雰囲気を感じ、長い歴史があるプラハの古城を楽しんだ。こうした経験を経て、私の心には素晴らしい都市の理想形が出来上がっていった。
2009年12月、私はロンドンを旅行した。ロンドンの緑化計画は私に深い印象を残した。ホテルの窓を開けると、外はハイド・パークだ。たとえ天気が悪くても、一面に広がる緑を見ればいい気分になった。欧州には、街中に数キロおきに公園のある都市が多い。北京の道の真ん中に作られた四角ばった緑地のように、近くで楽しめず遠くから見ることしかできないのとは違って、自由に公園を出入りして、草むらを散歩したり日光浴したりできる。この緑地は市民の憩いの場となっていると同時に、街の空気の質も高めている。パリでは、毎回雨が降った後、土のいい匂いをかくことができるが、これはどこの都市でも享受できるというものではない。
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