4月11日、2010年ボアオ・アジア・フォーラム年次総会の最終日に開催された、万博に関するサブフォーラムで、開催を目前に控えた上海万博が焦点となった。上海万博組織委員会の周漢民副主任は上海万博の4つの見所--「科学技術」、「文化」、「調和」、「文化の伝承」について説明した。中国新聞網が伝えた。
周副主任は、20日後に開催される上海万博の見所として、まず科学技術を挙げた。周副主任によると、特に低炭素経済やエコ経済を目指した新たな科学技術革命が何をもたらすのかに注目すべきだという。
次に挙げたのは文化だ。5千年の歴史を持つ中華文明は世界で大きな影響力を持つ。自らの特徴を失うことなく、系統的な進歩を続ける中華文明をいかに伝えるかが、上海万博の目的だという。これについて周氏は、中国の宋代の都・開封の生活風景を描いた写実風俗画「清明上河図」が先端技術を用いて展示されることを明らかにした。当時の人々の暮らしぶりが生き生きと蘇るということだ。このほか、中国内陸部31の省、市、自治区も独自の展示館を設け、個々の文化気質や「和して同ぜず」の文化規範を紹介するという。
3つ目は調和。周副主任は、摩擦や戦争が後を絶たず、貧富の格差が広がっている世界情勢に触れ、「文化の相違が、国と国との関係に障害をもたらしている」と指摘。「上海万博には全世界から192の国が参加するが、うち21カ国は中国と国交のない国であり、上海万博の役割の大きさが伺える」と語った。「上海万博には戦争や混乱だけでなく、喧嘩すら目にすることはない」という。
最後に、万博が展示から思考の深まり、そして文化の伝承へという流れを挙げた。周副主任は、文化・娯楽イベントが2万公演予定されており、世界各地のさまざまな文化イベントが毎日、100公演行われることを明らかにした。
上海万博では6つのテーマ・フォーラムと1つのトップフォーラムが開催される。周副主任は、12月31日の閉幕日に開かれるトップフォーラムでは『上海宣言』が採択され、最も重要なフォーラムであると強調。「上海宣言が拘束力のないコペンハーゲン合意を前進させることを願っている」と期待を述べた。
見所に溢れた上海万博は当然、混雑が予想される。開催期間中、少なくとも延べ40万人の来場が見込まれ、周副主任によると、中央政府と上海市政府は食品衛生や情報管理、国家安全などに関する安全保障体制をすでに構築している。
一方、「1日の来場者数が60万に達した場合は急ブレーキをかける」と制限措置を取る構えも明らかにした。
「人民網日本語版」2010年4月12日 |