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中国の変化を象徴するサービス業
本誌記者・植野友和  ·   2022-06-27  ·  ソース:北京週報
タグ: サービス業;消費;中日交流
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それどころかECでも顧客対応をしっかりやらなければ、容赦なく星一つをつけられるかもしれない。逆に、商品の発送からアフターサービスまで徹底して質を高めれば、高評価につながりより多くの消費者を呼び込める。このような現象がオンラインビジネス全般で起きたことにより、サービス向上のインセンティブは日増しに大きくなっている。

また、サービス業における情報技術の応用について、筆者が肌身で体験したものに不動産仲介業がある。部屋を借りる際、契約をスマホ一つで済ませられるのにも驚いたが、それ以上に素晴らしいと感じたのは家電に関する問い合わせから部屋の修理まで全てスマホでできることだ。ある日、電気が消えたので停電かと思い、アプリを通じて修理を依頼したところ、担当者から即返事が帰ってきて単なる電気代未払いと分かったことがある。また、月に一度サービスで部屋の掃除があるのだが、アプリで時間指定をすればその通りに来てくれる。

加えて、デジタル技術の導入によって生まれた中国の新たなサービス業も、一度使うと元には戻れないと感じるほどに快適だ。例えばタクシーの場合、日本の運転手は接客こそ丁寧だが、意外と道を知らない人もいて、「どう行けばいいでしょうか」と聞かれることがある。中国の配車アプリなら、まず通りで車をつかまえる必要がなく、スマホで行き先を指定して呼べばいいだけのこと。交通サービスとして見た場合、中国のタクシーの方が圧倒的に便利なのである。

同様のことはフードデリバリーや宅配便にも言える。日本にもあるにはあるが、アプリの完成度や手軽さ、料金など、いずれも中国にはかなわない。こちらではデリバリーサービスに力を入れる店舗も多く、高評価を得るためにさまざまな工夫が行われる。一例を挙げると、出前で弁当を注文した時に、頼んでもいないのにデザートがおまけで入っていて、ご利用ありがとうございますといった手書きのメッセージが入っていることがある。ささいなこととはいえ、消費者としてはやはりこういった気遣いは嬉しいものだ。何にせよ、ほとんど自炊をせず、買い物に行くのすら面倒に感じる自分が中国で暮らせているのはこれらのサービスのおかげであり、現在の環境に慣れきった筆者が日本の生活スタイルに戻れるか、はっきり言って自信がない。

さらに、サービスを提供するのは企業だけとは限らない。中国では必要なスキルを持つ人とのマッチングを可能とするプラットフォームがさまざまなジャンルで存在する。IT系や語学系、他にも使ったことはないが心理カウンセラーやお見合いの仲人を探せるものまであるほどだ。むろん、それらの人々も仕事を受けたら適当に済ますのではなく、利用者の高評価を期待してサービスに励む。こうして中国ではオンラインとオフライン、企業と個人に関係なくサービス競争が進み、より良いものを提供する者が生き残るという消費者にとって良い循環が生まれている。

買い物に行ったら仕事中にスマホをいじっている店員がいたり、飲食店でテーブルが汚れたままになっていたり……中国で今もしばしば見られるそのような光景は、やがて過去のものとなるだろう。この国のサービス業は「明天会更好」(明日は今日よりもっと良くなる)、たゆまぬ進化を続けているのである。

「北京週報日本語版」2022年6月27日

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