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「風を追いかけて」重慶にやって来た風工学の専門家・田村幸雄教授
  ·   2018-05-29  ·  ソース:
タグ: 日本;教授;中日交流
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重慶大学土木工程学院の教授で、日本東京工芸大学の名誉教授である田村幸雄教授(71)にとって、科学研究における最も優れた動機とは、人類、環境、地球に対する「愛」だ。重慶日報が報じた。

田村教授は、台風を研究して半世紀になり、「風」を追って、米国やカナダ、韓国、オーストラリア、中国、マレーシアなどさまざまな場所に足を運んだといい、一体どこに行ったことがあるのか、彼自身ももう数え切れないほどだとしており、「風を研究している理由」について、田村教授は、「目的は耐風。耐風設計を採用することで、さまざまな建物が強風に見舞われても倒れることがないようにすること」と説明する。

田村教授は東京工芸大学で研究をしていた今世紀初め、等価静的風荷重分布を多くの建物モデルに対してデータベース化し、データに基づいて、数学模型を作り、風と建物の損壊の程度の関係を導き出した。

2009年、田村教授の呼びかけの下、国連・国際防災戦略(UNISDR)は、風関連災害リスク低減国際グループを立ち上げ、田村教授が議長を務めている。同グループは、風関連の災害リスク低減に力を入れ、政府当局や研究機関、末端となる社会団体などに、技術関連のコンサルティングやトレーニングを提供している。

12年2月に完成した東京スカイツリーは高さ634メートルで、電波塔としては世界一の高さ。東京で最も人気の観光地の一つとなっている。このような超高層建築物には、どのように耐風設計が施されているのだろう?同タワーの建設初期段階で、田村教授は安全確保のための耐風設計プランを提供した。

日本だけでなく、多くの国や地域で、田村教授の研究成果が応用されている。それらを背景に、2007年から15年まで、田村教授は、2期連続で国際風工学会(IAWE)の会長を務め、世界中に風工学の基礎研究や革新的研究、風工学の応用、風工学教育、国際風工学交流などを推進してきた。

中国に来ることにした理由について、田村教授は、「日本と中国は近い。東京工芸大学にもまだ続いているプロジェクトがあり、行き来が便利」と、まるで風のようにユーモアをあちこちに織り交ぜながら説明した。

実際、都市化が急速に進む中国は、高層建築物が林立しており、風関連の災害リスクを低減させる技術の応用は急務となっている。この面では、田村教授にとっても、自身の研究成果を発揮する最適の場所となっている。

田村教授は14年から北京交通大学の教授を務め、17年からは重慶大学の教授となった。北京と東京の距離と比べると、重慶と東京のほうが距離があるが、田村教授が重慶に来ることを選んだのはなぜなのだろう?

「今回は距離で選んだのではない。現在建設中の重慶大学風工学·風環境·風資源研究センターは主に、超高層建築物の耐風・防風能力、風力発電などの研究を展開する予定で、私は同センターの発起人の一人。重慶大学は6000万元(約10億2800万円)以上を投じて、世界最高レベルの風洞実験室を作ろうとしており、ここが私が科学研究を行う『主戦地』となる」と田村教授。

田村教授は若い学者や学生がグローバルな学術的視野を持ち、多くの研究成果を上げることができるようサポートしている。

1980年代から現在までに、田村教授はすでに50人以上の中国人科学研究員に対して、日本での学習・交流を援助してきた。それら若い学者・学生の多くは帰国後、中国の大学の科学研究において中心的な役割を果たしている。その他、田村教授はこれまでに中国の大学15校の名誉教授や顧問教授、客員教授を務め、中国の風工学の専門人材の育成・研究の発展に大きく寄与してきた。そのため、17年9月、中国政府は田村教授に「友誼奨」を授与している。

17年11月、田村教授は中国工程院の外国籍院士にも選ばれた。

「今後は、一層安全で、持続可能な発展を実現することができる最先端研究に取り組みたい。私の知識と技能、経験を一人でも多くの中国の若者に伝え、中国の同分野における研究と発展を一層推進したい」と田村教授。

田村幸雄教授プロフィール:

風工学の分野の世界的に有名な専門家で、国際風工学会(IAWE)の元会長。14-17年、中国共産党中央組織部が実施するハイレベル外国専門家プロジェクト(外専千人計画)で選出された専門家として北京交通大学の教壇に立ち、17年10月からは重慶大学の教授を務める。17年11月に、中国工程院の外国籍院士に選出。

構造物の風工学研究に長年取り組み、耐風研究やその応用の分野では世界的に有名な専門家。これまでに、国際風工学会Alan G. Davenportメダルや米国土木学会(ASCE)Robert H. Scanlanメダル、日本風工学会・功績賞など数々の賞を受賞。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年5月29日

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