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日本の人気作品の中国版が酷評を浴びるワケは?
  ·   2017-12-05  ·  ソース:
タグ: 日本;人気作品;中日交流
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呉宇森(ジョン・ウー)監督がメガホンを取った「追捕(MANHUNT)」が11月24日に公開されてから8日間で、興行収入が約1億元(約17億円)に達した。ただ、情報コミュニティサイト・豆瓣での評価は4.7ポイントにとどまっており、興行収入も口コミも普通だった。「追捕」は、今年公開された俳優・黄磊(ファン・レイ)の初監督作品「家族はつらいよ(中国名:麻煩家族)」や蘇有朋(アレックス・スー)がメガホンを握った「容疑者Xの献身」と同じく、日本の人気作品のリメイク版で、この3作品は原作ファンのブーイングを受けているという点でも共通点がある。北京青年報が報じた。

日本の作品を原作とする映画はほぼ全滅

近年、中国の映画・ドラマ市場では、日本の人気作品をリメイクするというのがブームになっている。人気俳優・欧豪(オウ・ハオ)らが主演を務めた日本の小説家・片山恭一の「世界の中心で愛を叫ぶ」のリメイク版が2016年に、人気アイドル・黄子韜(ホアン・ズータオ)が出演した推理作家・島田荘司の小説を映画化した中国版「夏、19歳の肖像」が今年、公開された。その他、今月22日には、陳凱歌(チェン・カイコ―)監督がメガホンを握る、作家・夢枕獏氏の超人気歴史伝奇小説「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」を映画化した「空海--KU-KAI--(中国名:妖猫伝)」が公開され、今月29日には、作家・東野圭吾の人気小説を映画化した中国版「ナミヤ雑貨店の奇蹟」が公開される。メディアの報道によると、「秒速5センチメートル」、「ラブレター」、「源氏物語」など、日本の10作品以上の「中国版」も公開に向けて準備が着々と進められている。

すでに公開された日本の人気作品のリメイク版作品には、原作に忠実だった「家族はつらいよ」やリメイク版の「追捕」などがある。しかし、口コミを見ると、どれも酷評の嵐となっている。また、興行収入を見ると、「世界の中心で愛を叫ぶ」や「夏、19歳の肖像」などは約1千万元(1億7千万円)以下にとどまっている。

口コミも興行収入も伸びず、リメイク版を作ってはブーイングを浴び、業界関係者は、「日本の作品を原作とする映画を作るのは本当に難しい」と肩を落としている。

日本の作品のリメイク版製作は諸刃の剣

実際には、日本、米国、または中国国内の作品であっても、人気小説などを映画化するのには、リスクとチャンスが共存している。リメイクは諸刃の剣で、メリットもあれば、デメリットもある。メリットは、原作がすでに名作でブランド化しており、リメイク版などを製作すると注目を受けやすく、オリジナル作品の制作と比べると宣伝コストを抑えることができる点だ。一方、デメリットは、原作が人気作品であるため、見る人はそれに対するイメージが強く、公平に判断するのが難しく、リメイク版に対する要求が高くなってしまう点だ。

また、中国のリメイク作品のほとんどが「投機的」に製作され、製作者は、名作に対する敬意の念が欠けている。初めから名作をもう一度作ろうという気持ちがなく、「金儲け」のためだけの製作になっている。これまでに公開された日本の作品を原作とする映画はいずれも、そのような間違いを犯しているため、酷評を浴びても決して不思議ではない。

「家族はつらいよ」が人気にならなかったのも、製作者の姿勢と密接な関係がある。同作品には、「これはリメイクではなく、翻訳だ」と突っ込む声が寄せられた。その理由は、中国の文化を全く考慮せずに、原作映画をそのままコピーし、ショートメッセージを電話に、居酒屋を爆肚(牛や羊のセンマイ料理)の店に、鰻丼を北京ダックに変えただけだったからだ。

「家族はつらいよ」の失敗の理由が「完全コピー」であれば、「追捕」の失敗の理由は「完全リメイク」だろう。俳優・故高倉健に敬意を示して、「君よ憤怒の河を渉れ」(1976)の原作小説を再び映画化した「追捕」は、主人公の杜丘と真由美の名前が残っている以外のほとんどの内容が変わってしまっている。杜丘の仕事は検察官から国際弁護士に変わり、杜丘が罠にかけられて逮捕されるというストーリーは、指名手配された殺人犯に変えられた。71歳の呉監督が「追捕」を一生懸命製作したことには敬意を示すべきだが、全体的に見ると、高倉健に敬意を示す作品というよりは、「喋血双雄(The Killer)」や「男たちの挽歌(原題:英雄本色)」などの人気作品を製作した呉監督自身の輝かしい経歴に「花を添える」ための作品となっている。

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