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中国は日本の「ゆとり教育」の落とし穴を避けられるか?
  ·   2017-04-20  ·  ソース:
タグ: 日本;「ゆとり教育」;中日交流
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日本では、1980年から2010年代初期まで約30年間、ゆとりある学校を目指して「ゆとり教育」が実施されていた。では、「ゆとり教育」の結果はどうだったのだろう?中国の教育改革にとっては、どんな教訓となっているのだろう?(文:楊三喜。新華思客掲載)

復旦大学(上海)高等教育研究所の陸一氏の研究では、「ゆとり教育」は深刻な副作用をもたらした。例えば、ゆとり教育により、学習時間や内容は減らされたものの、優秀で一生懸命勉強している学生に、国はサポートを全く提供してこなかった。また、「ゆとり教育」の政策の下、クオリティの高い教育は公立校ではなく、私立校でしか受けられなくなり、公立校の教育のレベルは低下し、学生たちは最低限のゆとりある教育しか受けられなくなった。そして、学習塾産業が台頭するようになり、その結果、経済的に余裕のない家庭の子供はクオリティの高い教育を受けられないため、中流階級にとっては負担が増した。

日本の国民の全体的な学歴が明らかに右肩下がりになり、経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)における日本の学生の順位も下がる一方となっている。また、「ゆとり教育」政策により、教育をめぐる経済的負担が高まり、中流階級は子供を産みたがらなくなり、日本の少子高齢化に一層拍車をかける形となるなど、一連の社会問題の原因にもなっている。

日本の「ゆとり教育」は、中国の小中高校で現在進められている学生の負担軽減業務を連想させる。しかし、同業務も一連の副作用をもたらしているのは明らかだ。例えば、午後3時半に下校するよう取り決めている学校も少なくないが、保護者は5時半か6時半にならないと仕事が終わらないため、学生は十分に勉強できないだけでなく、帰宅後に面倒を見てくれる人がおらず、保護者は子供を学習塾などに行かせるしかない。学習塾も玉石混交で、そのクオリティにも差があり、安全性にも疑問がある。さらに重要なこととして、これら学校以外で勉強する場は、道徳教育をメインとはしておらず、「詰め込み教育」を実施し、「受験競争」を一層あおっているため、学生の学業の負担は増し、「学校での負担は軽減しても、学校外での負担が増す」という現象が起きている。

また、経済的に余裕のある家庭なら子供を学習塾に通わせることができるものの、余裕がない家庭や農村の家庭はそうすることが難しい。そのため、農村の家庭の子供と都市の家庭の子供の間に優劣ができ、教育格差が生じている。

中国と日本はどちらも東アジア文化圏に属し、人口が多く、伝統的に教育を重視するという似たような社会的文化背景を持つ。中国の中流階級と日本の中流階級の子供の教育に対する思いを見ても、多くの共通点がある。スタート地点で他の人に負けたくないという観念の下、中国では幼いころから子供に教育を受けさせ、子供の学習時間が長すぎるという現象も深刻だ。教育面での経済的負担が大きすぎるというのも、多くの人が2人目の子供をあまり作りたがらない大きな理由になっている。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年4月20日

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