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「李白の錠」と中日友好
  ·   2017-03-24  ·  ソース:
タグ: 「潘家園」;骨董;中日交流
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北京市にある「潘家園」という骨董市場をご存じだろうか? おそらく、北京で学ぶ留学生たちはそれぞれお気に入りの場所があると思うが、私にとっては「潘家園」がまさにそれだ。昨年12月は週末になるとそこへ足を運んだ。私がこれほど「潘家園」に惹かれる理由は、いままで見たこともない物がそこにあるからではなく、以前に見たことがある物があるからだ。つまり、そこで売られている物に対して、多少なりとも知識を持っているからとも言えるだろう。こういう言い方をするとちょっとした自慢のようだが、その訳を是非ここで紹介したいと思う。(文:池田洋子・北京師範大学 国際在線掲載)

ある日、私は潘家園骨董市場で面白い「錠」を見つけた。普通の錠は、数字の暗証番号によって施錠・開錠ができる。だが、その錠の暗証番号は漢字7文字だった。しかも、その漢字7文字は、ある詩歌の一部分だった。私は思わずニヤニヤしてしまった。「この詩は高校時代に勉強したことがある!」-そう、李白の「白帝城」に出てくる「朝辞白帝彩雲間(早朝、朝焼け雲の下、白帝城を出発する)」の7文字だったのだ。私は錠を手にして、得意げに開錠した。その時、とても驚いた表情を見せた店主の顔を見て、私は内心「してやったり」と感じたのと同時に「もし中国人でも日本人でも、誰でも開錠できるなら、一体この錠の存在意義はあるのだろうか?」という疑問を持った。

中国での暮らしが長くなるにつれて、私は、中国人と日本人には、共通認識がとても多いと感じるようになった。たとえば私は、「論語」のなかのいくつかのフレーズを知っており、項羽と劉邦の物語を知っており、隋(581-618年)の次には唐(618-907年)の時代という歴史についても知っている。私はごく普通の看護師で、中国文化や歴史は専門ではないが、これらの基本的な知識は備えている。

なぜなら、日本人なら誰もが、小学校から高校までの間に、このような知識を学ぶからだ。これらの知識のおかげで、私は潘家園にある骨董品について理解できた。だが、日本以外の国からやって来た留学生の多くは、そのような知識を学習した経験がない。中国関係の専攻分野でない限り、彼らが中国の文化や歴史を学ぶ機会はほぼ皆無だ。あるクラスメートは、「ヨーロッパの学生が学ぶ内容の多くは、ローマ帝国など、ヨーロッパ史とヨーロッパ文化が中心だ」と教えてくれた。私もローマ帝国について学校で学んだことはあるが、ヨーロッパに関して私が持っている知識は、ヨーロッパ人の知識には全く及ばない。このようにみると、ある国の歴史や文化を学んでいるかどうかは、一般的に、国家間の交流の多少に左右される場合が多い。ローマ帝国がヨーロッパ全体に極めて大きな影響をもたらしたのと同様、日本人にとって、古代中国が日本に及ぼした影響は極めて大きい。つまり、日本文化について語る際には、中国文化に触れない訳にはいかないのだ。

表面だけを見れば、今の日本文化は、米国からの影響がやや大きいように見える。だが、実際のところ、米国文化が日本に入ってきたのはほんの100 年前のことだ。中国との交流の歴史と比べ、米国と日本の交流の歴史はごく浅い。20世紀以降、中日関係は苦難の道が続き、今もなお、両国関係は好転したとは言えない。これは極めて残念なことだ。私は、古代から長く続いてきた中日交流は、我々が意識するしないに係わらず、非常に底深いものだと認識している。私は、中日両国の国民がお互いに仲睦まじい関係を保ってほしいと心から望んでいる。私たちは一衣帯水の隣国なのだから、付き合わない訳にはいかない。この道理を「李白の錠」が私たちに教えてくれていると、私は実感している。(編集KM)

「人民網日本語版」2017年3月24日

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