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ジャーナリスト・野島剛の知性と感性
  ·   2016-12-05  ·  ソース:
タグ: 日本;ジャーナリスト;中日交流
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日本のジャーナリスト・野島剛さんがこのほど、中国でエッセイ集「豆腐とウィスキー」を刊行した。野島さんが中国で本を刊行するのは「ふたつの故宫博物院」(2012年)に続いて2冊目。後者は、「日本にも中国のことをちゃんと理解し、客観的に中国を見ているジャーナリストがいる」と大きな話題となった。「豆腐とウィスキー」に収められているエッセイのテーマは幅広く、時の政治情勢に非常に敏感で、豊富な知識と、独特の観点で書かれている。そして、野島さんの優秀なジャーナリストとしての知性やエッセイストとしての感性がひしひしと伝わって来る。(文:劉蔚。北京青年報掲載)

世間で話題となっているニュースをリアルタイムで取り上げ、自分らしい思考で持論を展開するというのが「豆腐とウィスキー」の大きな特徴の一つ。例えば、「ソニー凋落」というエッセイでは、日本の大手家電メーカー・ソニーが14年に巨額の赤字となったことや近年衰退している原因などについて、納得のいく分析を行っている。そして、「ソニーは00年以降、インターネット関連の商品において、画期的な商品を一つも打ち出しておらず、インターネットの特徴を十分に理解できていない」と指摘。また、「時代について行くことができていないというのが、ソニーが坂道を転げ落ちている主な原因」としている。このような斬新な観点は、ジャーナリスト・後藤健二さんがなぜ危険を冒して、結局テロリストによって殺害されてしまったかを分析する「テロ組織『イスラム国』に誘拐された友人」や、中国でコンビニが新聞を売る売店に取って代わるようになることを予測する「コンビ二の40年の歩み」、マスコミの「原罪」について語る「スクープと自殺」、日本の国民的俳優・高倉健について書いた「昭和の時代を象徴した高倉健の死去」などのエッセイでも十分に示されている。彼の見方全てに賛成できるわけではないが、その問題を見る独特な観点や思考の深さには感心させられる。

中国文化の研究に没頭し、中日文化交流に注目し、持論を展開するというのも、このエッセイ集の特徴の一つだ。「チャイナドレスと日本人」では、「民国時代に改良版チャイナドレスが中国人女性の間でオシャレなファッションとなり、日本の女性の美的センスにも大きな影響を与えた。チャイナドレスから、政治を通しては伝えることができず、アートでしか表現できない中国人の強さと美しさが完璧に伝わって来る」としている。「『型』と中国文化」というエッセイでは、「日本人は『形』(形態)を『型』(仕切り)にするのが得意で、『無形』の要素を多く取り入れる中国文化と比較する」と書いている。このような表現には、強い印象を受けずにはいられない。

日本と中国の美食に対する評価も、このエッセイ集のおもしろい内容の一つだ。「おいしいウナギ」、「豆腐雑談」、「日本のラーメン」、「おいしいお寿司は米が命」、「世界で好評を博する日本のウィスキー」、「似て非なる『中華料理』」などのセクションでは、作者の美食家としての一面が発揮されている。野島さんは、日本の美食のすばらしさのほか、中国の飲み物や食べ物が好きであると書いており、両者の根源も考察している。また、日本のラーメンを食べて感動を覚え、「元々おいしいものに改良を加えて、完璧なものにする。このような冷めることを知らない情熱こそが日本人の本当の才能かもしれない」と記している。これこそが、日本人の性格や伝統文化の最も大きな特徴ではないだろうか。

「豆腐とウィスキー」に収められている約110本のエッセイはどれもとても興味深い内容で、中国人が日本の現代社会や文化、歴史、日本人の中国に対する見方などを理解する助けとなる、意義深い作品に仕上がっている。(編集KN)

「人民網日本語版」2016年12月5日

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