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冷食、テント、シャンパングラス…屋外パーティで盛り上がる「ピクニック経済」
  ·   2020-06-01  ·  ソース:人民網
タグ: ピクニック;旅行;経済
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赤白チェックのランチョンマットにカントリー風バスケット、テーブルを飾る風船など、最近、多くの人のSNSにはどこかで見たことがあるようなピクニックの写真が投稿されている。北京なら、オリンピック森林公園や朝陽公園、一部の郊外の公園などで、数人グループの若者たちが連れ立って地面に座り、ピクニックをしている様子を見かけることができる。ここ1ヶ月ほどの間に、全国各地では「ピクニックブーム」が起こっており、若者たちの間で特別感に満ちたレジャースタイルの1つになっている。「北京日報」が伝えた。

北京市民の胡蕊さんは、「ずっと家の中に閉じこもっていて、やっと外に出て風に当たれた。でも感染症の予防・抑制期間中なので完全に気を抜くわけにはいかない。ピクニックなら安全かつ健康的で、お金もかからない。感染症の後で若者の生活費もどんどん切り詰められている。海外旅行や高級レストランでの食事会に比べて、外でのピクニックは最もコストがかからない『ネットで人気のライフスタイル』だといえる」と述べた。

面白いのは、ピクニックそのものよりも、若い人々の間では写真を撮ったり、写真を加工したりすることで人とのつながりを楽しむことの方が重視されていることだ。ホワイトカラーの小■(日へんに易)さんは、「これまで(若者向けライフスタイル共有プラットフォームの)小紅書に投稿しても、数十件くらいしか『いいね』が獲得できなかったが、ピクニックのノウハウに関する投稿だと、一気に2千件以上の『いいね』が獲得できた上、『保存』してくれた人も500人以上いて、達成感がハンパない」と話した。データによると、過去1ヶ月間に、小紅書のピクニックに関する投稿件数は前年同期比13.6倍増加し、中でも動画エッセイは3.4倍増えた。上海、北京、広州、深セン、杭州が投稿件数上位5都市となっている。

ただ消費者の中にはこの種の新興消費は中身よりも形をより重視しているとし、「飲むのがたとえ(中医薬系飲料の)王老吉だったとしても、シャンパングラスしか使わない。新聞や雑誌にしても、たとえその発刊日が過去のものだったとしても、必ず英字のものを買わなきゃならない。そうじゃなければ定年退職した年寄りが集まって公園をぶらついているのと変わらなくなってしまうから」などと「ツッコミ」を入れている。胡さんは、「ピクニックブームの中で、大勢の若者の消費は見かけだけで中身がない。SNSに投稿するためだけに凝った写真を撮ってもそれほど面白くないし、自然に親しむというレジャーの本質的な楽しみからは遠ざかっている」との見方を示した。

さまざまな業者はピクニックの新たなビジネスチャンスをがっちりつかまえる

ますます多くの若い人がピクニックをするようになるにつれて、ピクニックが新型のライブコマース方式になっている。

「ピクニックのシートは絶対に赤いチェックで、防水性も大事。ピクニックの食器は写真映えするために見た目がかっこよくなければならない」と投稿した「Still begirl」さんは小紅書で活躍するグルメブロガーで、ピクニックのノウハウを投稿すると、数百件の「いいね」や「保存」を獲得した。よく見ると、ノウハウの文章の下の方にピクニック用品の購入リンクがつけられており、たとえば柳のバスケット30%オフとか、ピクニックシート20−40%オフなどと表示されている。

多くのECプラットフォームの業者が「ピクニック経済」がもたらす新たなビジネスチャンスに気がつくと、機に乗じて「ピクニックセット」を打ち出した。アウトドア用品のネット店舗オーナーは、「ほんの1ヶ月ほどの間に商売が突然上向くなんてまったく思いも寄らなかった。しょっちゅう若い女性から問合せがあって、ピクニック用の卓上風船はあるかと聞いてくる。うちの店のピクニック関連商品マークがついた商品はどれも売れ行きがいい。今までは大して売れなかったミニテントも売れているし、店にある携帯式防水ピクニックシートはここ1ヶ月ほどの間に3万5千枚も売れた」と話した。

北京の複数の西洋料理レストランやスイーツ店も流行に乗じてピクニック向け食品セットを販売するようになった。「走板」という名前のスイーツ店は価格128元(約1919円)の2人用ピクニックセットを売り出した。ロールケーキが2切れ、ハンドメイドクッキーが1パックに、ネットで人気のチーズティが2カップというセットだ。一般的なデリバリーセットに比べ、ピクニックセットには「見た目がいい」ケースが使用され、チーズティも洗練されたガラス瓶に入れられている。

ピクニックなら郊外の公園が第一の選択肢

旅行サイトの馬蜂窩旅遊網のビッグデータによれば、今年3月以降、ピクニックをテーマにした観光の人気が前年同期比132%上昇した。玉渡山、オリンピック森林公園、朝陽公園、東郊湿地公園が北京市民が最も注目する人気のピクニックスポットだ。

しかしピクニックに適した場所を見つけるのはそれほど容易ではない。胡さんは、「上の世代の人が考える野外炊事やバーベキューなどのピクニックスタイルとは違い、今のピクニックブームでは冷製フードが中心だ。ピクニック人口が増えるのにともない、芝生があって、木陰があって、座れる平たい場所を見つけるのは難しくなった。静かに過ごしたいと思えば、人気は今ひとつで、場所的にちょっと遠い、新たに開放された郊外の公園に行くしかない」と指摘した。

筆者の調査によると、芝生に座ってピクニックをすることを禁止しているところもある。念壇公園の法執行チームの隊員によると、「緑地でのピクニックはマナー違反だ。観光客は公園内の公共のテーブルに座って食事をするべきだ。最近、うちのチームは湖の側でのピクニックなどのマナー違反行為をやめるように取締っている。火を使う屋外のバーベキューに至っては、北京の公園のほとんどで禁止されている」という。

果物・野菜狩り農園、農家民宿の中にはこれまでもあったバーベキューをバージョンアップして、ピクニックの場所を提供するところもある。通州区▲城鎮(▲はさんずいに路)の果物・野菜狩り農園のオーナーは、「今はサクランボのシーズンで、果物狩りのほか、サクランボの木の下でピクニックもできる。弁当付きのピクニックコースと、バーベキューコンロを貸し出すバーベキューコースと2種類のコースがある」と話した。

筆者の取材でわかったのは、家の近所で満ちたりた午後の時間を過ごしたい北京市民の大半にとって、コストの点でも、便利さの点でも、郊外の公園が依然として最も理想的なピクニックのスポットということだ。(編集KS)

「人民網日本語版」2020年6月1日

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