IoTはコストダウンに繋がり心配も労力も省ける
見た目上、センサーは単なる小さな箱でしかないが、水中のセンサーによって集められたデータはスマートフォンのシステムプラットフォームに送られる。ひとたび溶存酸素が予め定められた基準を下回ると、スマートフォンは自動的に警告を発する。そればかりか、ソフトウェアのバックグラウンドで人間による監視も24時間行われていて、即座に養殖家に電話をし、スマートフォンを操作して直ちに酸素発生設備を起動するよう伝えることで、「2人が徹夜し、1000人が眠る」ということを真に実現した。
慶漁堂徳清分公司の金輝総経理によれば、IoTによる水質監視サービスは漁民たちの深夜の見回り仕事の辛さを軽減しただけでなく、電力消耗を15%以上削減し、漁獲量を10%高め、養殖池の持ち主の1ムーあたりの利益を総合的に約2000元向上させた。
IoTは伝統的な漁民が数十年積み重ねてきた魚の養殖の常識を覆しただけでなく、伝統的な漁業の全ての産業チェーンにも浸透している。以前は不法な仲買人を通じて魚を売り、村民はしばしば代金を得られないことがあった。現在はIoTプラットフォームとの協力で、価格が合理的に定められるだけでなく、訪問買付けも可能だ。
生産量に加えてより重要な環境保護
2018年、菱湖鎮のIoT養殖モデルは徳清県で正式に導入された。説明によれば、現在プラットフォームには5万以上の養殖家ユーザーが登録済みで、7000以上のユーザーがIoT酸素溶解・水質健全重点監視サービスを利用し、そのうち徳清県は約3000以上を占める。徳清県政府が2019年10月に発表したデータによると、同年の県全体における水産品の総生産量は15万トンで、総生産額は48億元を超え、年間の総生産額は県全体の農業生産額の80%を占める見込みだ。
現在、慶漁堂は徳清県で自主設計による二つの養殖池での水循環生態養殖モデルの始動も計画している。主に立体的に分層した注水システムを使い、水を二つの養殖池で循環利用する。金総経理によれば、これはリアルタイムでの監視、スマート酸素供給、自動給餌、純物理的殺菌などの技術を含むIoT生態水循環養殖システムであり、魚の養殖を手軽なものとするだけでなく、水産や養殖の過程での水の汚染を軽減することもできる。
「北京週報日本語版」2020年1月13日