中文 | English | Français | Deutsch
 
 
ホーム 政治 経済 社会 中日交流 文化 文献 特集
ホーム >> 経済 >> 本文
  • descriptiondescription
中国を米貿易赤字のスケープゴートにしてはならない
スティーブン・ローチ  ·   2018-03-29
タグ: 中米経済;貿易;経済
印刷

中国や他の国を非難しておいて、貯蓄不足という根本的問題の解決には着手せず、関税やその他制裁手段で中国の対米貿易を抑制すれば、最終的に米国は世界のさらに生産コストの高い国と商売をせざるを得なくなる。その結果は、米国の消費者にさらに高い税を課すことと変わらない。 

不幸なことに、この問題はますます深刻化している。トランプ大統領は今後10年で1兆5000億ドルを減税するという減税案に署名し、米国議会は先ごろ、政府機関閉鎖を避けるため、連邦政府支出を3000億ドル増やして赤字を拡大し、国内貯蓄にさらに大きな負担をかけた。このことで浮かび上がってくるのは、財政政策と貿易政策のちぐはぐさが貯蓄不足の米国経済にもたらす深刻な悪影響だ。保護貿易主義は貿易赤字をさらに拡大する可能性が極めて高いのである。 

摩擦の激化 

これらは全て中米経済関係の摩擦が激化していることを表す。中国は米国にとって第3の、また発展が最も速い輸出市場であるため、米国は決して中国の反応を無視することはできない。当然ながら、状況が本当に悪化すれば、赤字に苦しむ米国がより多くの外資を必要とした時に中国は米国債を買い控え、売却することさえも可能だ。 

現在の課題はどのようにしてこのような悲惨な結果を防ぐかと、どのようにして不信を信用に変えるかだ。これには両国に利のある政策を双方が採用する必要がある。情勢を好転させうる3つの可能性をここで強調する。 

まず、世界の二大経済体である中米には二国間が接触するためのしっかりとした枠組みが明らかに必要だ。近年、中米戦略・経済対話などのハイレベル会合の効果は微々たるものだ。そのため、継続的な協議を受け持つ常設の事務局を設立することができれば、問題解決の成功率は高くなる。 

2つ目に、両国は中米二国間投資協定(BIT)によって促進される市場アクセス拡大をさらに重視すべきだ。中国の消費財市場は歩みを始めたばかりで、急発展する段階にあり、巨大な発展潜在力は米国の多国籍企業の開発を必要としている。同様に、世界で最も大きく深みのある市場として、米国のビジネスチャンスと市場収益が外向型の中国資本は磁石のように引き付けあう。また米国に投資することの利点は、貯蓄不足の米国に資金を注入できるということだ。BIT交渉を進めてすでに9年にもなるが、両国は長期にわたる行き詰まり状態を打破する努力をするべきだ。 

3つ目に、ソフトパワーに関する問題を解決すれば、中米間の緊迫した情勢を大きく緩和できる。米国は、経済問題を分析する際に政治問題を混ぜて考えるべきではない。具体的に言えば、二国間の案は多国間の問題を解決することはできず、中国は米国の貯蓄問題を解決することはできないと米国は認める必要がある。米国が中国を非難することは実は米国が自身の力を建て直せていないことへの責任逃れである。中国は、いくつかの問題を解決することが西側における中国のイメージを改善する手助けになり、中国にとって有益である意識する必要がある。それらの問題とは、貿易関連だけに止まらず、インターネット・セキュリティと地政戦略も含まれる。 

(スティーブン・ローチ、エール大学教授)

「北京週報日本語版」2018年3月29日

前のページへ12
シェア:
リンク  

このウェブサイトの著作権は北京週報社にあります。掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。


住所 中国北京市百万荘大街24号 北京週報日本語部 電 話 (8610) 68996230
  京ICP备08005356号 京公网安备110102005860号

中国語辞書: