国務院の承認により、２０１７年から、毎年５月１０日が「中国ブランドの日」に定められた。この記念日により、さらに多くのブランド意識が喚起され、ブランドの権利・利益が広く尊重され、保護されるようになり、こうした意識が人々の心に浸透し、行動として表れることが期待される。

ブランドは企業革新の知恵と製造品質を体現し、生産者が思いを注ぎ込み、文化的内容と価値理念を伝える。最も優れたブランドは往々にして国の名刺のような役割を果たす。中国が誇る「中国航天」（宇宙開発）や「中国高鉄」（高速鉄道）は国内外でその名を知られる。１００年以上の歴史を持つシルク製品老舗の瑞蚨祥は、その製品の一針一針にたゆまぬ向上を目指す技巧と匠の心が込められている。幾代にもわたる同仁堂は、世の人に「修合无人見、存心有天知」（生薬の修治や調合などは誰も見ていないが、調合する人の心は天が知っている）の信頼と気骨を伝えている。高く評価されてきたブランドには、どれも固く守り続けてきた品質と尊厳がある。

中国ブランド確立の意義は、企業の販売利益報告表に体現されるだけでなく、匠の精神を伝え、信頼環境を浄化し、中国文化をアピールし、中国を伝えるという重要な使命も担っている。

改革開放の洗礼を経て、「中国製造」（メイド・イン・チャイナ）は歴史的な飛躍を遂げた。国連が発表した５００余りの主要工業製品のうち、２２０余りの製品で中国が生産量世界一を占めている。大量の供給能力、整った産業チェーン、世界基準に適った品質保障体系は、中国ブランドが世界市場でハイエンドポジションを目指す上で堅固な基盤を築いた。しかし、中国ブランドの影響力は世界第２の経済体という地位とつりあっていない。世界ブランド実験室が発表した２０１６年世界ブランド上位５００のうち、中国のブランドは３６しかなかった。  

ブランド構築の任は重く、その道は遠い。一方では、製品品質と性能があまりよくないという決定的な弱点を改め、ブランドの内在的価値を絶えず高めていく必要がある。その一方で、革新の原動力をさらに解き放ち、競争力のあるブランドが頭角を現せるようにするべきだ。ブランド意識確立において重要なのは、社会全体に信頼重視、発明推賞、特許保護の意識を醸成し、偽物や粗悪品を徹底的に追及し、市場の悪意ある行為に対して容赦なく厳罰に処することである。

世界の市場を見回すと、世界の有名ブランドはいずれも幾代にもわたって苦労して働き、困難の末に創業している。同様に、中国ブランドの確立にも近道はなく、たゆまぬ努力と追求が必要だ。

初の「中国ブランドの日」を迎えるに当たり、我々は１００年後に照準を合わせ、ブランド意識、匠の精神、民族の品格を現代工業生産と管理実践に融合させ、幾代にもわたる努力を引き継ぐことで、高く評価され、長く伝えられる中国ブランドを作り上げなければならない。

「北京週報日本語版」2017年5月10日