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「グランメゾン東京」、精緻極まる作品作りとちょうどいい匙加減の立志の物語
  ·   2020-01-16  ·  ソース:人民網
タグ: ドラマ;料理;文化
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日本のドラマの秋クールは10月から年末まで続く。2019年の秋クールでは、木村拓哉主演のTBS日曜9時放送ドラマ枠(「日9」と略称される)の「グランメゾン東京」が注目のドラマとなった。同ドラマは、フランス料理の天才シェフである尾花夏樹が、職場で起きたある事件をきっかけに人生のどん底に沈んだが、「絶対味覚」を持つ女性シェフの早間倫子と出会った後、そのミシュランの星獲得へのこだわりに感化され、再び闘志を燃やしていく様を描いている。ストーリーは主に、この2人が新旧の仲間たちと協力してレストラン「グランメゾン東京」を開業し、ミシュランの三ツ星獲得を目標に奮闘していく物語をめぐって展開される。豪華なキャストと、志を立てて努力していくストーリー設定、手の込んだフランス料理は、ますますうるさくなる日本ドラマファンの感覚を満足させ、ここ数年あまり盛り上がっていなかったグルメドラマをしっかりと「燃え上がらせ」た。文匯報が伝えた。

キャラクターをはっきりと浮かび上がらせた演技派の中年俳優陣

グルメは日本のドラマがよく取り扱うテーマだ。「グランメゾン東京」のほかにも、2019年に放送された「孤独のグルメ」第8シーズンや「深夜食堂」第5シーズン、「Heaven? ご苦楽レストラン」や「きのう何食べた?」はいずれもグルメドラマの範疇に入り、レストラン経営から家庭料理まで、西洋料理のフルコースから日本料理まで、達人シェフからグルメの美食家まで、さまざまなタイプのドラマが揃った。「グランメゾン東京」が放送されたのは、社会人をターゲット層とした「日9」枠だ。同ドラマのテーマや人物、ストーリー設定は、「日9」枠のターゲット層のポジショニングにうまくはまっていた。高級フレンチレストランを舞台にして、料理のエリート集団をメインキャストに据え、ミシュランの格付け評価を背景としたストーリー設定により、作品に「物珍しさ」を生む仕掛けが施された。また、同作品は高い制作費と大規模な制作という保障を得て、主要制作スタッフや視聴覚効果、内容の専門性においても最高のものを追求することができた。

「グランメゾン東京」はTBSのゴールデンタイムの主力ドラマであり、毎回1億円以上の投資と多くの有名な演出家や俳優の加入により、同ドラマの高い視聴率と高い評判が実現した。演出家チームには、「アンナチュラル」の演出を手掛けた塚原あゆ子や、「花より男子」を演出した山室大輔、「インハンド」を演出した青山貴洋が参加している。俳優の面では、日本ドラマの「ゴッド」的存在の木村拓哉のほかにも、メインキャストに鈴木京香や沢村一樹、及川光博、尾上菊之助など視聴者におなじみのメンバーが揃った。「グランメゾン東京」のキャストには、演技派の中年俳優が名を連ねており、美少年が大手を振っている現在の日本ドラマ界では独自の道を行ったと言っていいだろう。

ストーリーに巧妙に埋め込まれたミシュラン格付け評価の秘密

ストーリー設定について見てみると、「グランメゾン東京」は業界ドラマの定番路線を踏襲している。職場で挫折し、人生に失望した主人公が、新たに態勢を立て直し、再起を目指して奮闘するストーリーを主軸に、ほとんど知られていない業界の内幕を明らかにし、職場の神話を創り上げていく。さまざまなカテゴリーの日本のグルメドラマのうち、「王様のレストラン」や「Dinner」、「 Chef〜三ツ星の給食〜」などがこのタイプに入る。「グランメゾン東京」のユニークな点は、ストーリー設定においてミシュランの要素を大きく扱い、ミシュランの格付け評価体系の秘密を明らかにしながら、その核心的価値について説明し、ミシュラン三ツ星レストランとは何かを専門的な角度から示し、視聴者に新鮮なグルメドラマ体験をもたらしている点にある。

そしてラブストーリーをメインに据えがちな多くのグルメドラマと異なり、「グランメゾン東京」は登場人物の感情描写において、意図的に愛情の要素を薄めている点は注目に値する。尾花と倫子が曖昧にしている本当の気持ちはストーリーの中に見え隠れするものの、2人の親密で隙のないチームとしての協力体制と、「実力ある者は実力ある者を重んじる」という優れた職人同士の友情を際立たせることにさらに多くの時間が割かれ、「日9」ドラマ枠の主要な視聴者層の職業ドラマに感情移入したいという気持ちと期待に応えただけでなく、作品全体の爽やかな雰囲気にもマッチしていた。料理人の情熱と美食のもたらす癒しは、月曜からまたストレスの多い仕事に戻る社会人たちに新たに活力と希望を注ぎ込んだ。

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