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人間性と感情に迫る東野圭吾の名作「回廊亭の殺人」が中国で舞台化
  ·   2019-01-15  ·  ソース:
タグ: 東野圭吾;舞台劇;文化
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 「ナミヤ雑貨店の奇蹟」や「容疑者Xの献身」など、東野圭吾の人気小説がここ数年、中国の映画監督によって映画化され、公開されている。そして、今月9日、北京の保利劇院で、東野圭吾の名作「回廊亭の殺人」の舞台版が上演された。同舞台は、フィジカルシアターを得意とする趙■氏(品の口が水)が舞台監督を務めた。

都市で暮らす人々の様子を描いたこの舞台劇のストーリーや舞台全体のスタイルなどからは「シンプルで暗黒」という特徴がにじみ出ている。ミステリアスなストーリーや音楽からは、暗く悲しいムードが漂い、役者のさまざまなスタイルの演技と舞台美術がさらにそのムードを盛り上げ、観客はその雰囲気にたちまち飲み込まれていく。

東野圭吾は、非常に不合理なことを、合理的なストーリーにするのが得意で、同じタイプの作家の中でも、その腕はずば抜けている。これも、東野圭吾が多くの熱烈なファンを抱える理由の一つだ。「回廊亭の殺人」の原作小説は、東野圭吾の本格推理の傑作と称され、復讐劇、密室、恋愛が一つとなり、人間性や人の感情に追っている。

「回廊亭の殺人」は、東野圭吾の作品では少ない古典的なストーリー展開の代表作で、「白夜行」より7年早く刊行された。つまり、東野圭吾が専業作家としての道を歩み始め、独特の作風を描き出すことにチャレンジしていたころの作品で、東野圭吾の作品の中でも最も議論を呼んだ小説の1つでもある。この作品は元々大きな話題性があり、議論となる要素も豊富にあるため、それをいかにうまく舞台化するかというのが、脚本を手掛ける人にとって一番大きな問題となる。小説を舞台化するだけでなく、限られた時間と固定された空間を最大限活用し、小説で起きた事件を再現して、最終的に観客におもしろいと思ってもらえる作品にするという使命を帯びている。

また、原作が日本語の小説をどのように中国語の舞台にして中国人の観客に楽しんでもらい、さらに日本式のスタイルや東野圭吾の作風をいかに最大限残せるかもカギとなる。さらに、複雑な社会学やコミュニケーション学、映画観客学などの命題もそこに関係してくる。このように客観的に見て、「回廊亭の殺人」という名作を舞台化するというのは、新しい脚本を手掛けるのと同じほど難しいことだ。

このような課題について、この舞台劇のメインクリエイターは、「原作の日本式の文化的視点を捨てて、中国人の視点からストーリーを描くとすれば、アイデンティティの問題が出てくる」と頭を悩ませた。

小説「回廊亭の殺人」では、息が詰まるほど恐ろしいシーンもあれば、残酷な運命の設定もあるほか、作者のはかなく貴い命に対する思いも込められている。一方、舞台版では、ミステリアスなストーリーのほか、主人公の「大好きだった恋人」に対する強い思いも全体を貫いており、それらが複雑に絡み合い、非現実的なことと現実的なことが折り重なって進行していく。舞台では登場人物のセリフが適度にシンプルにまとめられている一方、役者の体の動きを使った表現を強化し、言葉は発さなくともそれぞれの心のうちを感じ取ることができるよう工夫されている。

例えば、東野圭吾が大の「仮面好き」であるのと同じく、「回廊亭」に来る人はみな偽善的で、「仮面」をかぶっている。舞台版では、原作のミステリアスな部分や推理小説的要素を再現しているだけでなく、象徴的な舞台スタイルや手法を通して、東野圭吾の女性に対するネガティブな思いを引き出し、見逃されがちなすべての人々に関心を示し、そのような女性が発揮する驚くほどの力はどこから来るのかを探っている。(編集KN)

「人民網日本語版」2019年1月14日

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