現実世界とは異なり、サイバー空間には「領土」の概念がなく、それがこの空間の秩序構築に多くの面倒事をもたらしている。現実社会では、秩序ルールの構築は通常社会形態、価値観念、政治制度といった要素を考慮する必要がなく、相対的に容易である。だがサイバー空間は違う。世界各国は政治、価値、制度などの面で根本的な違いがあり、サイバー空間の公共秩序について効果的な共通認識に達することが難しく、さらには狭隘な感情的対立まで起きている。
目の前に現実的な問題があるのだから、解決しなければならない。このような時に中国が打ち出した「サイバー空間運命共同体の構築」というテーマは、提案というよりむしろ既存の困難な局面打開のための効果ある処方箋だと言えよう。地政学的な違いや社会制度の違いによって生まれた偏見を捨て、「黒でなければ白」や「相手か自分のどちらかしかない」といった無意味な対立をなくして初めて、世界各国を1つの運命共同体にまとめ上げ、世界のインターネットの発展を促進できる。
もちろん、中国が「サイバー空間運命共同体の構築」を打ち出したのは、決してインターネットの形式主義に走るのではなく、台頭しつつある大国の態度を以ってしかるべき責任を担うということだ。今、インターネット産業は高度成長期にあり、インターネット産業の健全な発展と、サイバー空間の整然とした秩序のために、世界第2の経済体、世界インターネット大会のホスト国として、中国には新興分野の「模範生」と「リーダー」になる責任と義務がある。
「北京週報日本語版」2015年12月15日