現代劇の概念は狭義のそれを超越し、「劇を観る」から「劇場芸術を体験する」という新たな空間へと転換している。先日、世界的演出家、鈴木忠志監督が旗を振る「酒神・ディオニュソス」が中日両国の役者らによって古北鎮長城劇場で3日間連続で上演された。当日、遠くの烽火台に灯された灯で縁取られた「万里の長城」麓の屋外ステージで、和服姿に日本語を話す役者らが、日本の音楽の中ギリシャ神話を披露、寒空の下ダウンジャケット姿の中国人観衆は食い入るように見入った。異なる文化と国境を超えた非常に趣のある芸術作品となり、自然の景色と人文芸術が融合したまったく新しい体験を観る人に提供した。北京晨報が伝えた。
中日両国の役者が共演
鈴木監督は、「『酒神・ディオニュソス』は日中両国の役者によって両言語を用いて演じられる。劇中の没落する国王は中国人が演じ、母アガウエーは日本人女優が演じた。日中両言語の台詞が入り混じるが、舞台のリズムや話し方、話す速度は同じで、字幕を観客に示す形で舞台は完全に一体となっている」と紹介した。
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