高級茶芸師・池内巴里さんが主講師を務める中国茶芸教室の講座が東京都港区六本木にある池内さんのスタジオで9日の午後に行われた。今回の講題は烏龍(ウーロン)茶だ。生徒たちはリラックスした楽しそうな雰囲気の中、優美な中国茶芸のお点前を鑑賞し、芳香な中国茶を味わい、中国の奥深い茶文化を学んだ。新華網が伝えた。
池内さんは中国労働・社会保障部(省)職業技能資格が認定する高級茶芸師であり、中国茶葉流通協会の外国籍会員だ。2000年から2002年まで、池内さんは中国茶葉流通協会茶道専門委員会が主催する茶芸師養成クラスの課程に通い、中国茶芸界の大御所で茶道専業委員会委員長を務めた故・張大為氏の最後の弟子にあたる。池内さんは2003年10月に茶芸師の資格を取得、続いて2004年10月に高級茶芸師の資格を取得した。
茶芸教室内にある精巧で美しい茶盤、紫泥の急須、茶杯、聞香杯などの茶道具はすべて池内さんが中国を訪れた際に丹念に選んで購入してきたものだ。今回のウーロン茶のお点前に使用された茶葉は、福建省南靖や安渓で栽培された華やかな花の香りと爽やかな味わいが特徴の鉄観音だ。開講前、生徒たちは一緒に唐代の詩人、白居易(772-846)が飲茶生活について綴(つづ)った茶詩「食後」の一遍を朗読した。
池内さんはお点前を披露しながら、ウーロン茶の茶芸の特徴について、「ウーロン茶の茶芸は、『倹、美、和、静』の精神に基づき、茶葉を龍に、急須を竜宮城に見立て、36首の漢詩によって優雅な動作が形成された」と詳細に解説した。池内さんは、さらに茶芸の際の手の所作「蘭花指」(京劇の女形の手の型。中指と親指をつけて、人差し指を後ろにそらせ、薬指と小指を内側に曲げた形で、手が蘭の花の形に似ていることから来ている)の要領を解説し、白居易の「食後」の茶詩が体現している境地を説明した。生徒たちは次々に携帯を取り出し、家に帰って復習するために授業の様子を動画で撮影した。
南靖県は有名な「土楼の郷」で、池内さんは生徒たちのために南靖の土楼の模型を用意し、中国の客家人の独特な文化を紹介した。茶芸教室の授業が終わった後、生徒は池内さんが準備した手の込んだ美しい夕食を食べながら、感想を言い合うなど和気藹々とした雰囲気の中、おしゃべりに興じた。
現在、池内さんの茶芸教室は毎月第2土曜日に東京都港区六本木のスタジオで、第4日曜日に埼玉県の川越市の「あいアイ美術館」で1カ月に2回開催されている。1回の授業は約2時間。
池内さんは茶芸教室の主講師だけでなく、知的障害者自立支援団体・特定非営利活動法人「あいアイ」の事業部長を務めている。池内さんの母親、粟田千恵子さんは知的障害児童の教育事業に携わってすでに約50年になる。1997年に創設された非営利活動法人「あいアイ」は、2007年5月に「あいアイ美術館」を建設した。(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年5月12日
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