清華大学は22日、室内のPM2.5(微小粒子状物質)汚染に関する初の調査報告を発表した。これによると、室内のPM2.5汚染は、屋外に比べて人に対する悪影響が著しく、室内でのPM2.5吸入量は、屋外の4倍に達している。また、オフィス内の空気の質は、住宅内より優れていることが判明した。北京日報が伝えた。
今回の調査報告は、407人のボランティアを対象に収集した累計11万時間に及ぶ室内のPM2.5濃度データを分析、取りまとめたもの。
〇PM2.5吸入、室内での吸入量が全体の8割
調査報告によると、データ収集の対象となった時間帯において、北京における室内のPM2.5平均濃度は1立方メートルあたり82.6マイクログラム、「軽度の汚染」に相当した。また、調査対象となった時間帯のうち、「汚染レベル(PM2.5 濃度が1立方メートルあたり75マイクログラム以上)」となった時間帯は、全体の約3分の1に達した。
研究チームのリーダーを務めた清華大学電子工学部の張林研究員は、「収集したデータをもとに計算すると、ボランティアのPM2.5接触量は、1日・1立方メートルあたり2018.6マイクログラム、1人が肺に吸い込んだPM2.5の累計量は、1日あたり787.3マイクログラム、このうち室内でのPM2.5吸入量は、全体の80%を上回った。これは主に、人々は1日24時間のうち、約20時間を室内で過ごし、屋外にいるのはわずか4時間に過ぎないことによる。室内でのPM2.5吸入量は、屋外の4倍に上る」と説明した。
〇室内で空気の質が良好な環境は、建物の17階以上
調査の結果、室内のPM2.5濃度は、同時期の屋外のPM2.5濃度のほぼ67%と、建物が人体を大気汚染物質から守る役割を担っていることが明らかになった。張研究員は、「建物という要素が空気の質に影響を及ぼすことは間違いない。調査報告によると、同じ外部条件のもとで、オフィスにおけるPM2.5 の濃度レベルは、住居よりやや優れている。というのも、家庭には、調理や喫煙などの汚染の原因となる要素が多く存在しているからだ。一方、オフィスには通常セントラルエアコンが備えられており、PM2.5濃度を下げるのに一役買っている」と指摘した。
同じ建物内でも、17階以上のフロアーのPM2.5濃度レベルは、より優れている。また、大通りから500メートル以上離れた場所にある建物内の空気の質も比較的良好だ。これらの主な原因として、空気層が高ければ高いほど、大気の流動性が活発であるほか、幹線道路は自動車からの排気ガスの影響をかなり受けていることが挙げられる。
〇PM2.5濃度を上昇させる調理と喫煙
また、張研究員は、以下の通りコメントした。
空気清浄機やセントラルエアコンは、室内の空気浄化に大きな効果があるが、窓を開けて空気を通すことは、屋外の大気状況によって効果がまちまちだ。屋外のPM 2.5濃度が1立方メートルあたり75マイクログラムより低い場合、窓を通した換気は、室内の空気の質改善に有効だが、150マイクログラムを超えていると、換気をすれば室内の空気の質は悪化してしまう。また、調理、喫煙、掃除、その他塵が発生する作業は、室内のPM2.5の発生に影響を及ぼす。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年4月24日
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