だが二人の仲は結局、自然消滅することになってしまった。中国と日本は距離的には近いが、思想や生活、考え方には多くの違いがある。例えば史菜さんが自分でできると思うことも、彼氏は気が気でなく、なかなか一人でやらせてくれない。「安心を感じると同時に、自由を失ったとも感じた」と史菜さんは当時を振り返る。
▽誤解を解くのは直接的な接触
史菜さんが残念に思っているのは、大学で学んだ知識は教科書の中の知識に限られ、日本と中国の間にあった戦争のことなども知る機会はなかったし、中国人のこれに対する感じ方もなおさら知らなかったことだ。南京を舞台にした「金陵十三釵」を見た時にはとても複雑な気持ちになった。歴史と現実とにズレがあり、両国間に溝があることを知ると、困惑も覚えた。
中国での生活で国籍が原因で非友好的な態度を取られたことなどはあるかと聞かれると、史菜さんはしばらく考えて、出会ったほとんどの人は日本文化に関心を持ち、友好的だったと答えた。だが一人でタクシーに乗って運転手に外国人であることが気づかれた時など、韓国人のふりをしたこともあったという。
だが時間が経つにつれ、史菜さんは、山東や中国への理解を深め、そのような心配が実はそれほど要らないことに気付き始めた。日本の中国に対する壁にせよ、中国の日本に対する壁にせよ、多くは誤解から生まれたもの。具体的に直接交流することこそが、互いの誤解を解消し、相互理解を深める最も重要で効果的な方法だと史菜さんは感じている。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年1月8日
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