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中日交流  
◇「先生 ご無沙汰しております」◇
 

◇作文の感想に感動して泣いてしまいました◇

《斎藤先生、こんにちは。日本に到着してから5日が経ちました。一人で日本に来て、迎えてくれる人は誰もいませんでした。正直、最初の時はちょっと不安で、緊張もしました。でももう大丈夫です。……今、名古屋で桜はもう満開です。本物の桜を見るのは初めてで、とてもきれいだと思います。今週の土曜日に花見をする予定で、楽しみにしています。私の作文に対しての先生の感想を読みました。あまりに感動して泣いてしまいました。本当にありがとうございました。》=LMさん・女性=

LMさんは日本に留学中も、私の作文の授業を受けたいというので、メールで授業をすることにした。教室で出題した作文の題をメールで知らせ、作文をメールで送ってもらった。作文は添削と採点をし、私の感想を付けて教室の学生に返却した。留学生にも同じように添削、採点、感想を付けてメールで送信した。LMさんはその感想に感動したようだ。

《LMさんが泣いてしまった、というので、私の書いたメールを再読しました。けれども、LMさんを泣かせるようことは何も書いていません。泣くことはありませんよ。時には泣きたい場合があるかもしれませんね。そんなときは、涙がこぼれないように、上を向いて歩きましょう。日本にはそんな歌があります。……辛く悲しい時の後には、楽しく嬉しいことが必ずやって来るものです。日本に一人で行って、今は出迎えてくれる人がいなくとも、帰る時にはたくさんの人たちが見送ってくれます。私は日本国内を転勤して歩きました。新しい任地にはまったく知り合いはいません。そんな土地でも体当たりで目いっぱい仕事をしていけば、自然とその土地に馴染んでくるものです。またの転勤でその任地を離れる時には、他郷と思っていた地域も故郷のように懐かしくなるものです。》

LMさんは「このごろちょっと気になること」の作文で、「大学で勉強する目的や自分が生きている意味を探してみたい。」と、今の自分に対して気になることを書いてきた。私は感想として「人生の意義や楽しさ幸福感などは、来し方を振り返ったときにしみじみと気が付くものです。その時々を全力で過ごせば、自ずと意義は生まれてきます。」と励まし「私は生まれ変わっても新聞記者になり、今の妻と結婚をしたい。」と書き添えた。LMさんは私の“悔いのない人生”に感動し、自分でもそれを目標にしたかったようだ。

12年間滞在した南京大学専家楼の南窓から見上げる鱗雲。一つひとつの雲が学生のように思える=左端は学生寮=(2011年10月18写す)

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