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本誌報道  
周小川氏の文章に見る金融危機 その真因と解決の道

中国人民銀行総裁の周小川氏

主要20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)の開催を前に、先ごろ中国人民銀行のウェブサイトが中央銀行・周小川総裁の『国際通貨システム改革に関する考察』および『貯蓄率の問題に関する考察』という2つの文章を発表、同総裁の提起した見方が内外の経済界の注目を集めている。これについて中国輸出入銀行の主席エコノミスト・王建業氏が新華社の取材に次のように答えた。

──評論家の一部が言うように周総裁の文章は、新たな準備通貨を創出するためのものなのか。

一部の海外の評論家は、この2つの文章にある一部分にのみ注目している。たとえば、長い時間をかけて「一種の新たな準備通貨」をつくり出すという考え方の部分だ。こうした偏狭な報道は文章を読み違えた結果だと思う。しかも彼らは、周総裁やその他の中国の学者が「大恐慌」以来最も深刻な当面の危機に対応するために果たしている思想的貢献を十分に認識できていない。文章は危機の根源を指摘し、その解決の道を提起している点で貢献している。

──この文章は金融危機の根源は何だと言っているのか。

今回の危機は、経済周期的に見て下降期であるということと、過去10年間に積み重なってきた大規模なグローバル金融がバランスを失い、無秩序に解き放たれたということの二重の結果だというのが大方の見方だ。同時に、監視・管理システムの欠陥によって市場が働きを失い、米連邦準備制度理事会(FRB)がグリーンスパン議長の時代にとった過度に拡張的な通貨政策が資産バブルを推し進めてしまったと考える人も多い。

周総裁は文章の中で、現行の国際通貨システムに存在するシステム的な弊害とその限界性も危機をもたらした要因だと指摘している。簡単に言えば、当面の国際通貨システムの中で主要な準備通貨の発行国がとる通貨政策は、世界的規模での深刻な結果を招く、ということだ。関係する通貨当局は合法的な国内政策の目標を実現していく過程でこうした外部の反応を考慮したことがないため、その政策が全世界規的な不安定を引き起こしてしまう可能性がある。

このほか、現行の国際通貨システムが、ここ数年間に起こった世界経済の深刻な変化を反映しておらず、時代遅れであるため、適用できないこともある。1980年代には主要7カ国もしくは3カ国の中央銀行が連合して関与するだけで十分に主要準備通貨の為替レートに影響を与えられたので、これによって国際的な調整を進めてきたが、今はそれが不可能になった。

──G20金融サミット開催にあたって、われわれにできる解決の道はどんなものか。

危機の解決に関しては文章の核心は次の2点だ。第1に、短期間に適切なメカニズムを築くことで主要準備通貨の発行国が通貨政策を実施する際に世界規模での影響を考慮するよう確保すること。第2に、長い時間をかけてグローバル経済の持続可能な発展にプラスとなる国際通貨システムを構築することだ。その過程で、危機の予防と危機の処理という面で、とりわけ主要な準備通貨発行国の財政・通貨政策が金融バランスを失うという現象を継続させないよう確保し、いま構造改革が進行中の国際通貨基金(IMF)が責任を負うのを回避してはならない。

目下、経常赤字が出ている主要国においては公共部門の債務が急速に上昇しており、マネタリーベースもさらにスピードを速めて増加し続けている。そして、当初はまさにこうした現象がその国を泥沼に引きずり込んだのだ。全世界の利益のために、間もなくロンドンで開催されるG20金融サミットでは、危機の真の根源を明らかにするとともに、ふさわしい解決の道を定める必要がある。危機に対応すべく、新興市場国と発展途上国が資金的な貢献を果たすことは、思想的な貢献とともに貴重なことだ。

「北京週報日本語版」 2009年3月27日

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