競技施設の建設
「準備作業については、各政府が高度に重視し、全国民や社会各界からも大きな支持を得ている」。組織委員会の副主席兼秘書長の王偉介氏はこう話す。北京市政府は建設工事や環境整備に責任を負う指揮部や、競技進行方法を検討する調整グループを相次いで設立。広範な市民や社会各界もオリンピック関連市場の開発やエンブレム、スローガン、公式マスコット、公式テーマソングの募集などの準備作業に積極的に参与してきた。「社会全体に準備作業に参与する、という情熱のある秩序だった雰囲気が醸成された」と王氏は強調した。
取材でハード面の準備作業について聞いたところ、専門家の多くが「安心している」と答えている。何氏は「2001年7月13日の招致の成功から2008年8月8日の開幕式まで、この7年間の過程は一定の順序に従って、着実に作業を進めていく過程である。準備作業に当たっては心配させないことが肝要であり、作業は計画どおり順調に進んでいる」と指摘。
国際オリンピック委員会(IOC)2008年五輪評価委員会委員長のハイン・フェルブルッゲン氏は今年5月に北京で、「競技場や関連施設の建設の速さは、信じられないほどだ。北京は少しの時間も浪費していない」と評価している。
北京の南北を貫く中軸線上には、天安門広場や故宮、天壇など古跡や有名な建築物が多い。この中軸線は2008年にはさらに延びて、その最北端に敷地面積約1100ヘクタールのオリンピック公園が建設される。14の競技施設とオリンピック村が並び、開幕式が行われる国立スタジアムはその中心位置に屹立する。現在、急ピッチで建設が進められているところだ。
「公園の緑化面積は40~50%に達する」。招致に成功して間もなく、当時市長だった劉淇氏は会議「21世紀フォーラム――緑と環境保全」で世界各国の環境専門家にこう強調した。北京市は山間部に1万400平方キロ、平原部に長さ千キロ、市街地に百平方キロのグリーンベルトや緑地を建設する計画を作成。すでに緑化率は50.2%に達しており、2年前倒しで計画目標は達成された。
北京五輪では37の競技施設と76のトレーニング施設が使用される計画。建設に当たっては、BOT(民間企業が設計・建設・運営を請け負った後に政府に引き渡す)、いわゆる民間資金による社会資本整備方式を採用した。全競技・関連施設は来年末までに完成する予定だ。
このほか、21の指定医療機関とドーピング検査センターを確定。また宿泊施設では、組織委員会と契約した星クラスの各ホテルが来年上半期から団体客の予約受付を開始する。5つ星の場合、宿泊料金はスタンダードルームで2800元(約350ドル)になる見込み。
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