◇水泳競技:新人がまた活躍するか
国家スポーツ総局水泳運動管理センターの李樺主任は7月1日、前回オリンピックの女子10mシンクロナイズドダイビングと高飛込みで優勝し、今大会に向けた国内選抜でも1位となった李娜選手にとって極めて残酷なニュースを発表した――彼女は基本的にアテネとは無縁!
李主任は「飛込みで4個の金メダル獲得を確保するというのが、オリンピック選手を選抜する上で最も重要な原則である。李娜選手の強みは動作が軽妙洒脱で整然としており、安定性を発揮でき、それに大試合の経験があることだが、致命的な弱点は難度が低いことだ。得点から見れば優勢とは言えず、個人種目では金メダルを狙う力がないため、仕方なく涙をこらえた。一方、女子シンクロナイズドダイビングでは、莫瀚娜選手と芳麗選手のペアが難度の高い動作ができると分かったので、李娜選手ははずされることになった」と説明している。
中国がオリンピックに復帰したのは、1984年から。以来、飛込みチームは各オリンピックで新人が優勝をさらってきた。今大会に向けた集中トレーニングに参加した16人のうち、
前大会に参加した田亮選手や郭晶品選手、胡佳選手、李娜選手を除く12人はいずれも新人だ。
女子高飛込みで中国は一貫して優勢を保持してきた。この種目では過去5回、金メダルを獲得。新人が輩出する飛込みチームについて言えば、選ばれた労麗詩選手に李?選手、莫瀚娜選手に期待がかかっているが、なかでも有望なのが労麗詩選手だ。普段の力を安定して発揮できれば、アテネで新人が王者となる可能性は大きい。
オリンピックという大試合に参加したことのない全ての新人が越えなければならないハードルは、男子3m飛板飛込みだ。この種目で中国が金メダルを取るのは相当難しい。中国にとって一貫して苦手の種目であり、外国の強敵が最も集まる種目でもある。中国は男子飛板飛込みの2種目、更にシンクロナイズドダイビングで突破口を開ける可能性が大きい。
今年6月に開かれた国際水泳連盟主催の飛込み選手権で、中国は8種目のうち4種目で金を獲得。だが中国は絶対的優位には立てなかった。特にロシアやカナダ、オーストラリアなどの強豪に遭遇したことから、アテネではより苦しい立場に立たされるかも知れない。
「他国より20点リードすれば、金メダルうんぬんは論じられる」。飛込みチームの周継紅監督は更に「中国選手は全ての金を獲得できる望みがある半面、1個も取れない可能性もある」と指摘する。
飛込みチームに比べ競泳チームはどうか。趙戈監督は率直だ。「精鋭が少なすぎる、これが今の大きな問題だ」。
趙監督は「4年の調整とトレーニングを経て、シドニー大会以前よりは良くなっている。ただ、それは限られた範囲だ。つまり、メダルを狙える実力を持つまでに至ってはいるものの、実際に取れるのは、数人に過ぎないということだ。カギを握る選手は7、8人で、中核となる彼らがいかに力を発揮できるかが、中国の命運を左右する」と指摘。
アテネで金獲得の重責は女子選手の肩に掛かっている。優位にあるのは、200m自由型、100mと200m平泳ぎ、800mリレーに400m混合リレーだ。金の取れる羅雪娟選手と楊雨選手、斉暉選手の3人が最高の人選だが、状態が悪ければ、あるいは何か意外なことでも起きれば、競泳チームは“雪崩式”になる可能性がある。
「どの種目を取っても、金メダルを絶対に取れるという訳ではない。ただ頑張るだけだ」と、趙監督は気がきではない様子だ。「世界の競泳は飛躍的に発展する段階にあるが、中国はまだ低位を徘徊しており、世界との格差も開きつつある。現在の中国はただ強豪に追いつき、格差を縮める状態にあるとしか言えない」
男子の目標はより多くの選手が8位以内に入ること。背泳ぎや800メートルリレー、混合リレー、200mバタフライなどで一定の力を備えている。
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