今回のオリンピックを見てみると、世界のスポーツ界の発展の多元化傾向が現れ、金メダルはじめ各種メダルを獲得する国がめっきり増え、ロシア、ドイツなど昔のスポーツ強国の成績が大幅に下がった。その中で中国が金メダルの数と順位の不変を確保できたのは、並大抵なことではなかった。袁偉民中国スポーツ代表団副団長は、これは中国のスポーツが安定を保ちながら発展していることを物語っているとしている。
中国選手の進歩はまず、金メダルを獲得する力のある種目が増えたことに現れている。金メダル獲得種目は前回と比べて重量挙げとバドミントンの二種目が増えた。次に、中国の獲得した銀メダルがアメリカに次いで第二位に食い込んだことである。これは中国スポーツの力が全般的に増強され、潜在力が非常に大きいことを物語っている。今回のオリンピックでの中国男子選手の活躍に長足の進歩が見られ、獲得した十六個の金メダルのうち、七個が男子選手の獲得したものである。ちなみに、前回のオリンピックで男子選手の獲得した金メダルは四個であった。
今回のオリンピックでは、中国の優位をもつ伝統的な種目が引き続き優勢を保った。卓球は中国の「国球(国技)」として四つの金メダルを残らずさらい、ほかに銀メダル三個と銅メダル一個をものにした。跳込みでは四種目で金メダルを三個獲得した。体操、射撃などの種目の成績も前回とほぼ同じで、その実力を顕示した。以前振るわなかった種目のチームも著しい進歩をとげ、重量挙げ、バドミントンなどは再び金メダルを獲得し、女子バレーは銀メダルをものにした。
このほか、若干の種目は金メダルこそとれなかったものの、歴史的飛躍が見られた。例えば、女子サッカー、ソフトボールは銀メダルを獲得し、女子ハンドボール、新体操は五位に食い込み、男子バスケットは八位に入り、男子水泳と陸上の若干種目も八位以内に進出した。
しかし、中国のスポーツは陸上などの重要種目およびレスリング、ボートなど金メダルの多い種目ではなおも競争力を欠き、球技では進歩が見られたものの、サッカー、バスケット、バレーなどでは金メダルとは無縁であった。
伍紹祖中国国家体育運動委員会主任によれば、中国選手は今回のオリンピックでは基本的にはしかるべきレベルを発揮し、中国スポーツの現在の実力を示したが、これらの成績は当面の中国の経済発展および全人民健康活動などのスポーツ普及活動と密接な関係がある。