オリンピック線は、北京市を南北に走る中心線にあり、オリンピックセンターのエリア内を走る。全長は5.91キロ、全線が地下を走り、駅は北から南に森林公園駅、オリンピック公園駅、オリンピック体育センター駅、熊猫環島(パンダ・ロータリー)駅の4つで、オリンピックセンターのエリアに直接乗り入れる唯一の地下鉄路線だ。オリンピック線の4つの駅は四季をテーマにつくられている。パンダ・ロータリー駅は赤に黒を加味した色調で夏の激情を表現、オリンピック体育センター駅は燦然とした輝きをイメージした黄色で秋を表現、オリンピック公園駅のブルーは広さと冬を表現、森林公園駅は自然と溶け合うグリーンで希望をイメージし春を表現している。
海外からの旅客が地下鉄に乗っても迷わないよう、これまで不明確だった外国語の案内表示が改善される。大会期間中、北京の地下鉄には1駅ごとに外国語を話せるスタッフを配置し、北京外国語大学など8校から来るボランティアがサービスにあたる。同時に、現行の地下鉄とその沿線の案内表示をすべて国際的な通行表示に変える予定だ。
期待大きい軌道交通
地下鉄5号線開通の日から、北京の軌道交通は新たな価格制度の導入を始めた。空港線を除くすべての路線で2元(それまでは3元)という単一価格制を採用し、地下鉄専用の定期券は廃止された。北京市運輸管理局の劉通亮局長によると、単一価格制の実施後、83.1%の乗客は交通費の支出が減少し、1日あたり1.3元減ったが、16.9%の乗客は支出が増え、定期券を使っていた一部の乗客は1回の乗車につき0.6元の支出増となった。
5号線が営業を開始するまで、北京市では4つの軌道路線が運行していたが、その輸送能力は旅客総輸送量の15%にすぎなかった。ほとんどの市民が地上交通機関あるいはマイカーを利用していたためだ。しかし、地下鉄運賃の値下げと5号線の開通、さらに今後の地下鉄路線の増設にともない、多くの市民が大気を汚染しない地下鉄を利用する道を選んでいることが調査でわかった。これにより今後、地上交通の渋滞状況が大幅に緩和されると同時に、北京の大気汚染の改善にもプラスになると見込まれ、北京五輪に向けて好環境を提供することになるだろう。
「北京週報日本語版」 2007年11月19日 |