「グリーンな五輪」は北京が提唱する3大理念の1つ。汚染をなくし、環境を保護するのは1つの公共的な問題。グリーンな夢を実現するには全市民の参加が必要だ。最新統計によると、北京の自動車台数は約305万台。自動車の排ガスが大気の主要な汚染源の1つとなっていることから、北京市は8月17日から20日まで、五輪開催時の交通の流れを円滑にするための科学的資料を得るため、ナンバープレート末尾の数字の偶数、奇数ごとに運転を制限したり、ピーク時の車利用を減らしたりするなどの試験を実施した。
「自転車は大半の市民が使っている交通手段。省エネや環境保護、排ガスはなく、しかも健康的でファッショナブルだ。すべての市民が自発的に利用して、グリーンな五輪を迎え、環境を保護してほしい」と、何さんは自転車を拭きながら語った。また何さんの会社は、五輪開催の際にスポーツ選手が普段利用している自転車を5万台提供する契約を市当局と結んだという。
何さんによると、北海と什刹海に近いこのスポットは胡同(横丁)観光で有名なことから、レンタル自転車を利用するのは地方からの観光客や外国人が多い。「自転車に乗る人がますます増えています」と彼は満足げだった。
中国では観光にやさしい自転車観光が人気を集め、一種のファッションとなっている。環境に対する意識の向上、経済成長、観光業の発展がエコ観光の火付け役だ。伝統の観光業が環境問題を引き起こして批判を受けている今、環境にやさしいエコ観光は将来の観光業にとって最も理想的なモデルだと言えそうだ。
北京で仕事を始めたばかりの陳云騰さんは「これから北京の胡同を自転車で走り回るつもりだ。自転車観光の最大のメリットは利便性にある。車では入れないが、かといって歩くとかなり時間がかかる名所旧跡も多い。自転車は汚染がないし、環境にもやさしく、しかも体を鍛えられるので一挙両得だ。自転車なら、じっくりと史跡や北京の民俗・文化を理解することができる」と話していた。
「北京週報日本語版」 2007年9月21日 |