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五輪マークの保護 北京は強い決意

 

五輪マークと関連する商品、マークを使用する協賛企業とその他の商業開発プロジェクトが、五輪の主要経費を保証する財源となっている。01年7月13日に五輪招致に成功した際、「特色のあるハイレベル」の五輪開催を明確な目標とした北京は、競技開催都市との契約の中で「五輪のマーク、エンブレムとマスコットの法的保護を円滑に行う」ことを確約。その前の同年1月17日には、北京オリンピック招致委員会はIOCに提出した「招致に関する報告」の中で、特別条項を設けて五輪マークの保護の問題に対する姿勢について、「中国政府は『オリンピック憲章』とIOCの五輪マーク保護に関する規定を順守する」と明言している。

李処長によると、IOCが保護を求める知識財産権の範囲は非常に広く、図形や図案、文字、スローガンなどだけでなく、一部の特殊なフレーズもその範囲に含まれる。「これでは、中国の伝統的かつ正常な『商標法』や『特許法』『著作権法』『特殊マーク法』を含む知的財産権の立法では完全かつ十分にその要求に応えることはできない」と指摘。例えば、「北京2008」は「都市とアラビア数字」の組み合わせであり、中国の『商標法』の規定では登録することはできず、類似する状況はこれだけにとどまらない。そのため02年4月1日から「五輪マーク保護条例」を施行。

組委会法律事務部の劉岩副部長によると、この条例によって管理当局は法の執行が一段とやりやすくなったが、同事務部には何ら特別な権限は与えられていないという。組委会は条例に基づき、(1)市場の開発では賛助類別の「排他」あるいは「共同の排他」の原則をあくまでも実施することで、類別製品企業の間で相互にわたる隠れた市場の出現をできるだけ防止する(2)組委会は中国オリンピック委員会、香港オリンピック委員会、中国パラリンピック委員会と市場の共同開発を行うことで、競争関係のある企業が別のオリンピックとパラリンピックの市場共同開発に参入することを防止する(3)非協賛企業がオリンピック文化イベントあるいはテーマ活動に関連して宣伝を行うことを許可しない(4)寄付者や特別に許可された企業、スポーツ機器提供企業などがオリンピック関連の宣伝を行うことを禁止する(5)企業のオリンピックチケットを利用した販売促進を防止する――などの一連の措置を打ち出した。

五輪関連製品メーカーに対して、組委会は各生産・供給の段階での保護に留意し、注文数量を超えて生産することのないよう求めた。一般的に言えば、供給源が分散すれば、それだけ模造品の問題が発生しやすくなるからだ。

多くの五輪関連商品は、例えば、ホログラフィーや透かし、バーコードの技術など、より高級なラベルを採用している。

李処長は「我々は絶えず国家工商行政管理総局、著作権や特許、都市管理、税関などの当局と密接な連絡を取り、意思の疎通を図るとともに協力して、合法的な使用に関する情報を新聞やサイトといったメディアを通じて積極的、主導的に伝えている」と強調した。

国家工商行政管理総局などは8月、全国の商品流通と商標印刷の分野で五輪マークの使用状況について全面的な調査を行い、違法なマークの使用や関連商品の販売、印刷行為を厳しい摘発に乗り出した。来年1月と4月にも調査を実施する予定。北京や青島、天津、上海など競技開催都市のほか、08年の聖火リレーの際には、聖火が通る全国の重要観光都市でも重点的に調査を行うことにしている。

北京知的財産権弁公室の王力軍副主任は「今年、競技開催都市と五輪の知的財産権を保護するための緊急連動体制を確立した。これらの都市で権利侵害が発生した場合、法の執行機関が24時間以内に対処することにしている」と説明。北京市著作権局の王野霏副局長は「国家著作権局に対し、各省の著作権管理当局と連動体制を確立したことを報告した。五輪の著作権に関する問題は、随時通報し、全国の法執行当局と連係して、全国範囲とくに競技主催都市での法執行への協力を強化していく方針だ」と強調した。

五輪マークを侵害する行為は街中でも見られる。このため、北京市工商行政管理局商標処の張国鴻処長は、観光市場や小商品市場も含め、都市管理当局とともに常に共同で取締行動を展開していくとの考えを示した。

また北京市工商行政管理局は、広範な市民に五輪マークの保護に参加してもらうため、組委会と通報奨励制度を設けている。 

李処長は「五輪の知的財産権保護は2つの意義がある」と強調した。五輪マークはそれ自体が商標であり、商業利益にかかわっている。一方で、重要な文化を伝える媒体でもあり、オリンピック、オリンピック精神の象徴でもある。「スポーツ文化運動の角度から言えば、中国はオリンピックの継承と発展に貢献することになり、知的財産権の角度から言えっても、そうである」と指摘。李処長は我々にはいわゆる「余地」はなく、開催期間中は重点となる分野と段階で「必ず徹底させる」と語るとともに、「未然に防ぐことが我々の最高の目標だ」と強調した。

「北京週報日本語版」 2007年9月18日

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