――五輪の知的財産権と協賛企業の利益は各方面から重視され、より円滑に保護されている。
唐元愷
ある企業は製品の包装に「北京五輪の円滑な成功を祝う」という文字と、五輪マークを勝手に印刷したため、商工業当局から「五輪の知的財産権保護に関する法律と法規に違反した……」との通知を受けた。
社長は、悔しい気持ちはもう感じていないが、面目を失ってしまったと話し、「だが、これで知的財産権の保護を意識するようになった」とも語っている。メディアの報道によると、類似した「事件」は大なり小なりかなり起きており、なかでも五輪に便乗する者が少なくない。
五輪がもたらす「世界の注目」とかなりの「経済効果」に対し多くの企業は「感動の顔」を隠さない。国際オリンピック委員会(IOC)の規定では、商業目的で五輪関連マークを使用するには、許可を得るとともに使用許可契約を結ばなければならない。企業は五輪協賛企業や協力パートナーなどの方式を通じて、五輪マークを利用して市場での営業・販売を行う権利を取得することができる。全世界の企業52社が4クラスの協賛に参与するが、これとは別に一部の権利を授与されていない企業や個人が五輪市場のルールを無視し、絶えず権利を侵害すれば、消費者を惑わすことになり、さらには五輪のために資金を出した企業の合法的利益は著しく損なわれてしまう。
北京オリンピック組織委員会(組委会)法律事務部総合処の李雁軍処長は「一部の企業は画策した五輪をめぐる“隠れた”営業・販売戦略といった巧妙な手段は正しいと思っているが、実際にはその基本的な創意や要素は、法に基づき保護されている五輪の知的財産権から完全に免れるのは難しいため、やはり違法だと認定される」と指摘する。
組委会市場開発部の陳鋒副部長は、現在の“隠れた市場”について(1)非協力パートナー企業が様々な方策を講じて組織委と虚偽または権利未授受の連携を結ぶ(2)非協力パートナー企業がオリンピックの形象やマークの使用を保護する様々な法律に違反する(3)非協力パートナー企業が故意にあるいは無意識にオリンピック協力パートナーの合法的な市場開発活動を妨害する――の3点を挙げた。
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