国際オリンピック委員会の要求と北京市の2008年のオリンピック大会を招致した際の承諾に基づいて、オリンピック(およびパラリンピック)を催す前に、競技の時に正式に使われる各競技場･館はすべてテスト競技を催し、集中的に競技場･館などの施設、技術システム、計画案、運行規範と保証能力などに対しテストと検証を行い、それぞれの仕事を改善し、それを完全なものにし、競技場･館運営チームワークを鍛え上げなければならない。今年7月から来年5月まで、北京とその他数協力開催都市は「ラッキーな北京」という全般的に命名されるテスト競技42種目を次々と催すことになっている。

長い間、オリンピックの競技場･館の競技後の再利用の問題はいつも主催都市が直面する難問の1つであり、かつて、北京のいくつかの競技場･館は家具あるいは服装の展示即売会に頼ってやっと維持されてきた。「もし科学的かつ合理的な計画と管理がないならば、競技場･館がオリンピックの後で、都市の未来の発展の『重荷』になる可能性は非常に大きいが、北京はすでに企画、配置、機能の設計と投資運営体制など3つの面から着手し、『重荷』を貴重な遺産にすることを目指している」と蒋効愚氏は語った。

調査によると、北京市のオリンピック競技場･館は計画と配置においても都市建設と人々の必要を結び付けて十分に考慮されたものである。それらは大体4つの地区に分布している――1、オリンピックセンター区、つまりオリンピック公園であり、そこに国家スタジアム、国家水泳センターと国家体育館など10の施設が集中している。2、大学区であり、北京大学、北京科学技術大学と中国農業大学など4つの大学のキャンパスにそれぞれ1つの競技場･館を建て、これによって大学の教員、学生と近くの住民の利用に役立てることにしている。3、西部コミュニティであり、以前、この一帯はスポーツ施設が比較的少なく、五棵松文化・スポーツセンターを主として建設された7つの競技場･館はそれをカバーすることになる。4、北部の観光景勝地である。現在、この4つの地区の周辺にはすべて、すでに開発されているかまたは開発されつつある団地があり、数万ないし数十万人の人々が暮らしている。

「機能設計において、オリンピック競技場･館はスポーツ競技を行うことができるほか、人々のアスレチック、展覧、公演など多角経営の必要を配慮している」と蒋効愚氏は語るとともに、「水立方」といわれる国家水泳センターは、北京五輪の後に水上遊園地に改造されることになっているという例も挙げた。

蒋効愚氏の話によると、北京五輪の競技場･館は投資運営モードにおいては新しい試みを行い、将来の試合後の競技場･館の利用のために良好な条件を作り出すことにしている。過去において、中国が建設した大規模なスポーツ競技場･館の施設はすべて国が資金を投下したものであるが、試合の後にそれをスポーツ主管部門に引き渡して使わせ、しかも毎年政府は財政から施設のメンテナンス用の補助金を注ぎ込まなければならなかった。「今回、私達は十分に国外の先進的な経験を参考にし、入札募集を通じて業主（施設の所有者）を決め、業主は自分で資金を調達したり、入札を募集したり、施設を建設したりすると同時に、オリンピック大会以後の30年間の施設経営管理権を保有することになる……メカニズムにおいて保障がある以上、投資・建設者の入札募集を行う時、業主は十分に試合後の長期利用の問題を考慮に入れることができる。」北京では業主を選ぶ際、それが融資と建設の能力があるかどうかを見るばかりでなく、その未来30年間の施設経営案も見なければならなかった。「そのため、多くのオリンピック競技施設の業主は連合体であり、建設部門、融資部門ばかりか、文化・スポーツ経営部門もその中に入っている。」