本誌記者 曾文卉
『北京週報』記者の取材を受ける全国政協委員の金一南少将 (石剛撮影)
温家宝総理は『政府活動報告』で、「情報化条件下の一部戦争に勝利する力を中心とした多様化軍事任務遂行力を継続的に高める」ことを強調した。この言葉をどのように理解するべきか?中国の軍事費は高すぎるのか?中国の軍隊の戦争抑止力はどの程度なのか?3月8日、『北京週報』記者は全国政協委員で国防大学戦略研究所所長の金一南少将に単独インタビューした。
――現在EUと米国は中国への兵器売却に多くの制限をかけています。以前、「中国の国防は西側先進国との間に大きな開きがあり、世界の先進レベルとは20~30年の差がある」とおっしゃっていましたが、その差はどのような面に表れているとお考えですか?どうやったら差が埋まるでしょうか?
我々は「情報化条件下での一部戦争に勝利する」ことを提起している。最も大きく差が開いているのは、世界のハイテクが発展するのに合わせて兵器や装備の面で自主革新できるかという点だ。それから「人」の面、士官と兵士の資質は情報化条件下における戦争に適応できるか、という点でも差が出ている。中国の軍隊の伝統は、これまでは毛沢東同志の打ち出した十大軍事原則に従って、主に兵力の優位性を集中させて優勢に立ち最後の決戦に臨むというものだった。しかし今日では、兵力の優位性は主に武器力の優位性から情報の優位性へと変わった。この転換の過程で、いかにして軍隊の力を高めるか。これは兵器の問題や技術特許の問題だけでなく、人の問題にもかかわってくる。人の問題には、軍人の文化レベル、科学技術的な資質、現代化戦争指揮能力も含まれ、単純に博士や修士が何人いるかで測れるものではない。軍隊は特殊な専門分野であり、実験室で再現したりオフィスで経験を積んだりするのは難しい。実践に基づいた科学であるため、高い資質の人材を必要とする。我々自身の「高い資質の人材」に対する理解も次第に深まってきた。「高い資質」とは決して単に学歴やIQだけを指すのではない。それもあるが、もう一方ではその責任や担当、勇敢さ、犠牲の精神、現代化に対する知識、現代化兵器に対する理解も、同じように高い資質の軍隊を構成するために必要なものである。
現在、兵器面の差については語られることが多いが、人材面の差はあまり取りざたされない。実際、士官と兵士の資質の向上は差を縮めるために非常に重要だと思う。もちろん、装備いかんで戦い方も決まる。まだ新しい情報化装備がないのに情報化戦争を戦える人材を大勢育成することなどできない。装備の人への影響に適応し理解しなければならず、そしてこの過程で人材資質の向上を成し遂げるべきだ。装備と人の資質の向上は互いに補完するものだ。人を離れて装備だけを語ることはできないし、装備を離れて人だけを語ることもできない。この2つは互いに促進し合うものだ。ただし、目下のところは人の資質向上についてより気を配るべきだ。
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