「2008年に北京オリンピックが開催されたのに続き、11年は深センで第26回夏季ユニバーシアードが開催されるなど、中国は経済発展に伴い、世界に注目されるようになった。中国は私たちのような外国人も喜んで迎えてくれる」と語るのは華南師範大学(広州市)に留学生・Zoliさん。では、中国で生活する留学生達は、5日から北京で開催されている「両会」(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)をどのように見ているのだろう。中国共産党の機関紙「人民日報」(海外版)が報じた。
2011年、194カ国・地域から来た29万2611人の留学生が中国の大学や科学研究院所など計660の教育機関に在籍し、中国の留学生総数は初めて29万人を突破した。
留学して3年になる、冒頭のZoliさんはハンガリー人。まだ流暢とはいえない中国語で、「中国での生活には慣れた」と話してくれた。おしゃべり好きなZoliさんは、「中国の教育の発展に一番関心を持っている。これまでの中国人の学生に対する印象というと、毎日、分厚い本を見ることしか知らないという感じだったけど、今は、その学習の場が教室や図書館から、運動場やアクティブルーム、美術館などに広がってきている」と中国での生活の印象を興奮気味に語り、「中国の教育方式は多様化されるべきで、教科書を読むだけではだめ」と率直に語った。さらに、「教育は国の根幹をなす部分で、教育がなければ、国の近代化の未来はない」とし、「『両会』でさらに教育問題について話し合われることを期待している」とした。
「中国医学の文化はとても魅力ある」とするアメリカ人のジェシーさんは、2年前に中医医学について研究するために中国に留学。「中国の人はとても親しみやすいし、善良。それに、中国の経済は急速に発展していて、北京のような大都市はとても近代的。想像していたよりも発達していた」と指摘。しかし、「授業のない時間に出かけて、通勤ラッシュの時間などにぶつかると地下鉄や公共バスがとても混んでいて大変。北京は毎日が『春運』(春節前後の帰省ラッシュ)のよう」であるため、両会で話し合われる北京の環境や交通問題に注目しているという。ジェシーさんは中国が今後の発展の中で、生態環境の保護にもっと力を入れることを願っており、「現在、北京の空はいつも曇っていて、視界が非常に悪い。大気の質が改善されると、この街はもっと良くなる」と語った。
一方、四川大学でバイオエンジニアリングを専攻しているシンガポール人のJunliang Yeoさん(23)は、中国で最も感銘を受けたのは、2008年に四川地震が発生した時の中国人の団結力や勇気、助け合いの精神、それに中国政府の復興への力の入れ方やその成果だという。Yeoさんの最大の関心事は、両会の代表や委員も注目している中国の大学生の就職問題。「高学歴でないと良い仕事に就くことができないため、プレッシャーが大きい」とし、大学生が自分の才能を十分に発揮できる環境が作れるよう、両会が同問題に一層の注意を傾けることを願っているとした。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年3月12日
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