――温家宝総理は『政府活動報告』で、「情報化条件下の一部戦争に勝利する力を中心とした多様化軍事任務遂行力を継続的に高める」と強調していますが、この言葉をどのように理解するべきだと思いますか?ここで言う多様化軍事任務とは何を指すのでしょうか?
中国は「積極的防衛」戦略を実行している。情報化条件下の一部戦争に勝利するというのは、米国の観点で言えば非常に保守的な言い方だ。中国の軍事任務、軍建設原則、武装力の使用原則は米国のものとはまったく異なる。積極的防衛の角度から見ると、情報化条件下の一部戦争に勝利することは中国の現段階での「情報化条件下」における国家安全防衛の必要性に合致している。
多様化した任務には、戦争行動と戦争以外の行動が含まれる。「情報化条件下の一部戦争」は戦争行動でもあるが、戦争以外の軍事行動もある。例えば大規模災害救援や海外からの中国人避難がそうだ。中国の軍隊はこれまで国内の大規模災害救援に加わってきたが、現在ではインド洋津波など海外の大規模災害に対する救助にも加わっている。中国国家救援隊にも医療人員、工程技術人員、工兵チームなど軍事的要素が含まれている。さらに国連の広範な平和維持任務も行っており、現在1000名余りの中国軍人が海外で任務にあたっている。このほか、最近ではエジプトやリビアからの中国人避難を行ったが、このような任務はこれまで参画してこなかったものだ。今後はこうした任務が軍隊の多様化軍事任務になっていくだろう。
このような多様化した任務は当然ながら軍隊の支出を増やすことになる。こうした任務はかなりの部分突発的な側面を持っている。例えば汶川地震。これは予測不可能なものだ。現地で地震が発生した時、陸軍、海軍、空軍、陸戦隊が汶川地区に対し集中的に救援を行った。装備・物資と救助人員派遣の費用は軍隊の予算外支出だった。これらの支出は最終的な決算には計上されているが、実際には予算の基本費用から回したものだった。(つづく)
「北京週報日本語版」2012年3月11日 |