本誌記者 曾文卉
第11期全国政治協商会議委員で、中国広播芸術団一級俳優の鞏漢林氏は政治協商会議の業界別討議に参加した際、「文化の大いなる発展と繁栄のためには、失われた伝統を改めて重視しなければならない。継承が発展の前提だ」との意を示した。

鞏漢林氏
鞏漢林氏は今年の提案の中で、漢字の保護と伝承を重視するべきだと呼びかけた。鞏氏の述べるところでは、情報化時代の今、電子製品は社会の隅々にまで氾濫し、ペーパーレスやPC入力がオフィスの一般的なスタイルになっている。これは非難すべきことではなく、時代の要請だ。しかし問題なのは、PC入力の際に発音の同じたくさんの変換候補が出てきて、よく注意して選ばないと笑いぐさになってしまうことだ。ネット上では、「神馬」(発音が似ていることから、「何」にあたる疑問詞「什麽」をもじったもの)や「有木有」(物や事象、経験の有無を尋ねる「有没有」をもじったもの)などという用語まで出現している。「これらはネット文化の一部分としては許せるし、受け入れも可能だ。面白いからという理由でネットで流行するのはいいが、問題は子供たちへの教育をどうするかということだ。今、小学生から大学生までがみなPCで文字を入力している。小学生が正規の伝統文化である漢字を学ぶ際に、きっと疑問にぶつかるだろう」。
鞏漢林氏はさらに続ける。「そのため、私たちはまず最も基本的なことから着手し、身近なところから始めて、失われた文化を取り戻さなければならない。そうして初めて発展と繁栄を語ることができる。さもなければ文化の大いなる発展も繁栄もただのそらぞらしいスローガンで終わってしまう」。鞏漢林氏は、大学でも専門家委員会で統一教材を作成し、選択科目の1つとして硬筆の授業を設けてはどうかと呼びかけている。このほか、国家公務員の試験でも、回答用紙のきれいさや字のうまさも点数の5%か10%を占めるようにすることを提案をしている。「自国の文字すらかけないような人間は公務員にふさわしくない」と鞏漢林氏は言う。
「若者の中にも字を忘れて書けない人が多い。実は自分自身もそうだ。PCに長いこと頼りきりだったので、字を書く時には考えないと出てこない。ひどい時にはPCを開いて調べることもあるくらいだ」。鞏漢林氏はさらにこう語る。「書道は芸術の領域に入るので、中国人全員が書道に造詣が深くなる必要はないが、少なくとも漢字は書けるようにするべきだ。中国文化体系における金字塔である漢字は世界中で最も広く用いられる文字であり、中国語も世界で最も話されている言語であるにもかかわらず、その重視度は十分ではない。国は漢字の伝承と保護を重視するべきだ」。
「北京週報日本語版」2012年3月7日 |