3月5日、中国の全国人民代表大会(全人代)第5回会議が北京で開催された。日本の各主流メディアは大きく注目し、中国の2012年のGDP成長率と国防予算などについて関心を寄せている。
『読売新聞』では、政府活動報告で温家宝総理が2012年の経済成長率の目標を7.5%としたことに触れ、これに対し、「中国は規模拡大より成長の質や社会の安定を重視し、持続可能な発展を図る方針を示した」と伝えている。また、温総理は2012年、引き続き積極的に財政政策と「穏健な」金融政策を行なうとした。予算案では、財政赤字を、昨年を下回る8000億元以内に(約10兆4000億円)抑制し、通貨供給量の伸び率も昨年目標の16%増を下回る14%増とした。
『毎日新聞』では、政府活動報告で温家宝総理が2012年の経済成長率の目標を7.5%としたことについて、「安定成長を実現するための固い決心の表れである」と称した。温総理の決定は明らかに、「主要な輸出相手国であるEUの債務危機が中国国内の経済発展に影響を及ぼしている中、経済の安定した成長を図るために、発展の質を重点に置いた成長率を目指す」ことを示していると報じた。
日本時事通信社では、中国財政部が発表した『2011年中央・地方予算執行状況及び2012年中央・地方予算案報告書』によると、国内の治安維持などに使う「公共安全」予算を7017億6300万元(約9兆1200億円)と見込み、国防予算の6702億7400万元(約8兆7100億円)を上回ったことを伝えた。
|